みんなが幸せに生きる方法

アドラー心理学からヒントを得て本当の幸せとは何かを研究するブログ

みんなが幸せに生きるためには、私たち一人ひとりがどうしたらいいのでしょうか。

幸せのかたちは人それぞれ違うとは思いますが、このサイトではアドラー心理学の考える「人間の幸せ」からひも解いていきたいと思います。

アドラー心理学の考える「人間の幸せ」とは?

人間が持っている二つの根源的な欲求

アドラー心理学によると、人間は次の2つの根源的な欲求を持っており、これらの欲望が人間の心の奥深いところでせめぎ合っているそうです。

成長・自立して自由になりたい! = 優越性の追求(変化を求める)

 優越性の追求
人は無力で不自由な状態で生まれるので、能力をつけて成長し、自立して自分の力で自由に行動できるようになりたいと願う
自分の居場所が欲しい! = 所属感の追求(安定を求める)
 所属感の追求
人は身体的に弱い生き物で、他の人と協力しなければ厳しい世の中で生きていけないと本能的に分かっているので、共同体に加わり、自分の居場所が欲しいと願う
そして、嫌われてしまうと仲間外れにされて自分の居場所がなくなってしまうので、人は他人に嫌われたくないと強く願います。
人は人目を気にせず自分らしく自由に生きたいと思う一方で、他の人に嫌われたくないし、みんなに好かれたいと思うと、人目を気にして他の人に合わせ自由に生きられなくなってしまうというジレンマを抱えているのです。

「人間の幸せ」=貢献感

「人間の幸せ」とは、自由と自分の居場所を求める願いをバランスよく同時に叶えること

そこでアドラー心理学では、幸せになるためには、成長・自立して自由に行動することが、他の人と協力して生きていくことにつながり、共同体の中に自分の居場所があると実感できることが必要だと考えます。

嫌われないようにと自分を殺し、他の人に合わせて自分の居場所を確保しようとするのではなく、自分らしさを活かして他の人の役に立ち、自分の居場所があると思えることこそが「人間の幸せ」だとするのです。

 
筆歌
なるほど。成長して自由になり、やりたいことや好きなこと、得意なことをするなど、自分らしさを活かして「自分は他の人の役に立てているから、ここにいてもいいんだ」と自分の存在価値を実感できることが「人間の幸せ」につながっていくんですね

ちなみにアドラー心理学では、共同体の中に自分の居場所があると感じられることを 共同体感覚 といいます。

 共同体感覚
自分への執着から他者への関心に切り替え、他の人を仲間だと見なし、共同体(「あなたと私」から、広くは過去から未来、宇宙全体まで)の中に自分の居場所があると感じられること。人間は助け合わなければ生きられないからこそ必要な感覚

この共同体感覚をつかむために、他の人の立場になって考えて共感し、他の人の役に立とうとして自分はこの社会で必要とされているんだと思えること、それが人間の幸せにつながっていくとアドラー心理学では考えます。

つまり、幸せとは、「自分は誰かの役に立っている」という感覚貢献感なのです。
「役に立っている」というのは、仕事をするなど積極的な行為だけではありません。

 

病気などで動けなくても、自分が生きていること(自分の存在)が誰かの心の支えになっている場合なども含まれます(行為レベル+存在レベル)。

この貢献感は、自分が役に立っていると思えるだけでよく、自分の価値は自分で決めます。
誰かにほめてもらうなど、自分の価値を他の人に認めてもらう必要はありませんし、認めてもらおうとしてはいけません。
他の人に認めてもらおうとすると、親や教師の求める理想的な生徒になろうとするなど、他の人の価値観に自分を合わせようとしてしまい、自分らしく自由に生きられなくなってしまうからです。

幸せになるためには、どうしたらいいのか?

アドラー心理学の掲げる目標(行動面・心理面の目標)を、人生のタスク仕事のタスク交友のタスク愛のタスク)と向き合って達成すれば幸せになれる

アドラー心理学の掲げる目標

行動面の目標

① 自立すること(自己受容
② 社会と調和して暮らせること(他者信頼他者貢献

この行動を支える心理面の目標

① 私には能力があると思えること(自己受容
② 人々は私の仲間であると思えること(他者信頼他者貢献

共同体感覚を得て幸せになるための3つのキーワード

1. 自己受容
ありのままの自分を受け入れ(自分に与えられたものをどう使うかに注目=使用の心理学)、変えられるものについては変えていく勇気を持つこと

 

2. 他者信頼
他の人との関係をよくするために、横の関係(すべての人は対等)を築いていく手段として、他者を無条件に信頼すること(裏切りを恐れず、見返りを求めずに相手を信じる)

なぜ他の人を無条件で信じなければならないのでしょうか。例えば「この人は陰で自分の悪口を言っているのではないか」などと相手を疑っていたら、その人とは良好な関係を築くことはできないからです
 

3. 他者貢献
自分の存在価値を実感するために、仲間である他者に対して何らかの働きかけをして貢献しようとすること(他の人の役に立つ)で、貢献感さえあれば目に見える貢献である必要はありません

他者貢献=自己犠牲ではありません
むしろ「本当の自分」を捨てて自分の人生を犠牲にしてまで誰かに尽くす人のことを、アドラー心理学では「社会に過度に適応した人」であるとして、警鐘を鳴らしているくらいです。
他者貢献というのは、自分を捨てて誰かに尽くすことではなく、むしろ自分の価値を実感するためにこそ、なされるものなのです。
 

自己受容、他者信頼、他者貢献の関係

 

ありのままの自分を受け入れて、自分でコントロールできることは変えていく勇気を持ち、他の人をコントロールできないことを受け入れる(自己受容)からこそ、裏切られることを恐れずに他の人を信じることができる(他者信頼)。

そして、見返りを求めずに他の人を信頼し、他の人は自分の仲間だと思えているからこそ、他の人の役に立とうと行動することができる(他者貢献)。

さらには、他の人の役に立っているからこそ「自分は誰かの役に立っているから、ここにいてもいいんだ」と自分の価値を実感し(共同体感覚)、ありのままの自分を受け入れることができる(自己受容)のです。

人生のタスクとは

人生のタスクとは、この社会で生きていく限り、誰もが直面せざるを得ない対人関係のことで、仕事のタスク交友のタスク愛のタスクがあり、これらを合わせて3つの絆(きずな)ともいいます。

1. 仕事のタスク 難易度 ★☆☆
仕事で成果を上げるために他の人と協力せざるをえない関係
あくまで仕事をしている間だけの関係で、仕事を離れれば解放されるので実はハードル低め

2. 交友のタスク 難易度 ★★☆
仕事を離れた、もっと広い意味での友人関係
交友関係に踏み出すか、踏み出した関係を深めるかは、自分次第で勇気がいるので実はハードル高め

3. 愛のタスク 難易度 ★★★ 
恋愛関係、家族との関係(特に親子関係)で、この人と一緒にいるととても自由に振る舞えると思える関係
簡単には解消できない関係なのでハードルが一番高い

人生のタスクと向き合う方法

では、どうやって人生のタスクと向き合っていけば、自立して社会と調和して暮らせるようになり、幸せになれるのでしょうか?

STEP1 まずは今のライフスタイルをやめる決心をする 

STEP2 勇気を出して新しいライフスタイルを選びなおす

STEP3 課題を分離して対人関係の悩みを解決し、人生をシンプルにする

STEP4 自分の課題に取り組み、成長して自立し自由になる 

STEP5 自分らしさを活かして他の人の役に立とうと努め自分の居場所を見つける

 

 

道に迷ったときはどうしたらいいのか

道に迷ったときの「導きの星」

幸せになりたいと願い、自分らしく生きようと自由を選ぼうとすると、道に迷うことがあります。

そこでアドラー心理学では、道に迷わないための人生の大きな指針として 導きの星 を掲げます。

これさえ見失わなければ幸せな人生を送れるという指針「他者貢献 」です。

自分のことばかり考えず、他の人が何を求めているのかを考え、他の人の役に立とうと思いながら行動していれば、道に迷うことはありません。

たとえ誰かに嫌われようと、他者貢献 という 導きの星 さえ見失わなければ、自由に生きていいのです。

人生の意味は自分で決めます。

そして、過去も未来も見ずに現在だけを見て「いま、ここ」を真剣に丁寧に生きる。

常に今の自分よりも少しでも前進しようと努力していれば、いつのまにかどこか遠くまでたどり着いているのです(エネルゲイア的な人生)。

 エネルゲイア的(現実活動態的)な人生
いまこの瞬間をくるくるとダンスを踊るような人生。過程そのものを結果とみなす。旅のようなもの。遠い将来の試験に向けて勉強している今ここもすでに本番で、人生は常に完結している

ちなみに、有名大学、大企業、安定した家庭。
そんな親や社会の敷いたレールに乗って目的地を目指すような人生(キーネーシス的な人生)は、道に迷わずに済むかもしれません。

 キーネーシス的(動的)な人生
目的地に到着せんとする人生。なるべく早く効率的に目的地に着いた方がいいと考えます。目的地に着くまでは目的に到達しておらず不完全なので、今ここは準備期間(我慢の時期)でしかないことになります。

でもそのような人生は、人生を先延ばしする生き方でなので、いつまで経っても幸せになれません。

目標を達成するまでの今ここは準備期間でしかなく、楽しみを先延ばしして我慢する人生だからです。

 

「より大きな共同体の声を聴け」という原則

誰かの役に立ち社会から必要とされようと努力していても、家族や学校、職場などの人間関係に悩み、出口が見えなくなるときもあります。

そんなときは、もっと外の世界に目を向けて、より大きな共同体の声に耳を傾けてみます。

例えば学校内の人間関係で悩んでいるなら、他の学校にも目を向けて通信制の学校に転校してみるなど、もっと行動範囲を広げて新たな自分の居場所を探してみるのです。

人は悩んでいると視野が狭くなってしまい、いま自分が置かれている環境の中で何とかしなければ、と思いがちです。

でも、その環境の中では自分らしく自由に生きられなくて苦しいのなら、そんな環境に執着する必要はないのです。

 
筆歌

 

私も若い頃、会社を辞めてはいけないと思い込み、本気で自殺を考えたことがありました。でも母に諭されて会社を辞めたら、目の前がパッと開けて明るくなり、自分らしく前向きに生きられるようになりました。
 
【参考文献】
『嫌われる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2013年 ダイヤモンド社さん)
『幸せになる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2016年 ダイヤモンド社さん)