毎日のスキンケアに本当に必要なものとは?
毎日のスキンケアに必要なのは、① 汚れを落とす洗顔料、② 肌の潤いを補い守る保湿剤、③ 紫外線から肌を守る日焼け止めの3点が基本です。
世の中には肌の美容に良いとされる化粧品が溢れていて、私もいろんな化粧品を試しては時間とお金を注ぎ込んできました。
いろんなタイプのクレンジング剤や洗顔料はもちろんのこと、ピーリングジェルや拭きとり化粧水、美白化粧水、乳液、保湿クリーム、美白クリーム、オールインワンジェル、保湿美容液、美白美容液、スキンオイル、酵素パック、クレイパック、日焼け止め効果のある化粧下地などなど。
何だか肌が白くなるような気がして、夜だけでなく朝もせっせと洗顔フォームで顔を洗ってみたり、一皮むけたようなスッキリ感が癖になって頻繁にピーリングしたり、お肌がしっとり潤うようにと化粧水をたっぷりつけて時間をかけて浸透させようとしてみたり…
スキンケアはやればやるほど効果的?
でも実は、アンチエイジングを専門とする医師の佐藤英明さんによると「スキンケアに熱心すぎる人ほど肌を乾燥させ、シワやたるみなどの肌トラブルを起こしやすい」そうです。
顔の皮膚は背中など他の部分と比べてすごく薄くてデリケートなのに、スクラブ入りの洗顔フォームなどでゴシゴシ洗ったり、ピーリングジェルでこすったりすると、肌を守ってくれている常在菌や皮脂などが減って皮膚構造が傷つき、肌荒れや乾燥肌の原因になってしまうのです。
実際、私も肌が乾燥して粉吹き状態になってしまうことがよくありました。
形成外科医の落合博子さんの著書『美容常識の9割はウソ』には、次のように書かれています。
でも本来、人の肌は、そんなに頻繁に洗う必要がありません。
わたしたちの皮膚は通常、皮膚常在菌によって弱酸性に保たれ、有害な菌が増殖しにくい環境を維持しています。そして皮膚の常在菌である表皮ブドウ球菌が、皮脂をエサとしてグリセリンや脂肪酸をつくり出し、皮膚のバリアを保っています。さらに、皮膚ではつねに新陳代謝がおこなわれていますから、汚れがついても角質の剥離成分(=垢)とともに剥がれ落ち、自然と毎日キレイになる仕組みが備わっています。
ですから肌を洗う際に大切なのは、できるだけこうした本来の生理機能を妨げずに正常に保つこと。つまり“洗いすぎない”ということなのです。
つまり、肌には自分の力で皮膚を守りキレイになる自浄作用があるので、洗いすぎない方が肌を美しく健やかに保つことができるそうです。
化粧水はいらない?―課題の分離と介入
またショッキングなことに、化粧水でお肌に与えた潤いを乳液やクリームなどでフタして閉じ込めるのがスキンケアの基本だと長年信じてきたのに、形成外科医の落合博子さんによると、化粧水はマストアイテムではないそうです。
むしろ化粧水の使用はおすすめしない(!)というのです。
肌の潤いを保っている角質層には、水分や油分を適切に保つ機能が備わっているのに、化粧水で疑似的な水分が過剰に補われると、角質層の構造が崩れ、細胞間脂質であるセラミドや保湿因子が保持できなくなってしまいます。
すると、キメも荒れて艶を失い、毛穴や小じわ、ニキビなどの不調が起こりやすくなってしまうそうです。
化粧水をたっぷり浸透させて肌に潤いを与えようとすると、かえって肌の水分や油分を保つ機能がうまく働かなくなってしまって肌の調子が悪くなってしまうなんて。
自分ではお肌のために良かれと思ってやっていたことが、お肌にとってはありがた迷惑だったとは…(涙)
「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言いきってしまうほど、アドラー心理学では人間関係を重視します。
「いや、私が悩んでるのは乾燥肌や肌の老化で対人関係の悩みじゃないけど?」と思ってしまいますが、どんな悩みでも実はそこには必ず他の人が関係しているのです。
よく考えてみると、私が乾燥肌やシミ・シワなどを気にするのは、シミ・しわのない美しい肌の女性を見て「私もあんなふうに肌が白くてキレイだったら、もっとメイクやおしゃれを楽しめて幸せな人生を送れたかもしれないのに…」と他の人と自分を比べて劣等感を持っているからなのです。
この世に私しかいなかったら比べようがないので、自分の肌のことで悩むことはありません。
つまり、私の悩みは対人関係の中で生まれた主観的な「劣等感」なわけです。
ところで、アドラー心理学では対人関係のトラブルを解決するための方法の一つとして「課題の分離」をします。
「課題の分離」とは、自分の課題と他人の課題を分離し、自分の課題には踏み込ませず、他人の課題にも踏み込まない(介入しない)ことで、人生の荷物を軽くし、他の人と適度な距離を保つことです。
例えば、親が子どもに勉強させるのは子どもの幸せを願ってのことですから、一見すると親の課題であるように見えます。
でも勉強するかしないかで人生を左右されるのは子ども自身なので、勉強することは子どもの課題です。
つまり、親が子どもに勉強させるのは「介入」であって、そうすべきではないのです。
でもアドラー心理学は放任主義を推奨するわけではありません。親の役割は子どもを見守ること。
アドラー心理学では、必要だったらいつでも援助すると伝えて、勉強するかしないかは子どもの判断に任せて自立を促すことこそ、子どもの幸せにつながると考えるのです。
ここで私の肌のお手入れの話に戻りたいと思います。
アドラー心理学の「課題の分離」の話を肌のお手入れに当てはめてみると、肌のお手入れをした結果はもちろん肌に出るので、肌のお手入れは「肌」の課題で、自分の肌を「他人」と考えることもできます。
自分の肌を「他人」と考えるなんておかしな話ではありますが(汗)、肌には自分で健やかでキレイな肌を保つ力があるので、私はいろいろと余計なお手入れをして「介入」すべきではなかったのです。
私は自分の肌の力を信じて自立を促し、最低限のケア・サポートに努めるべきでした。
これからどうするか
お肌は洗いすぎると良くないということで、朝は水かぬるま湯のみで顔を洗うことにしました。
夜は保湿用のオイル(石油系合成界面活性剤が入っていないもの)を優しくなじませてメイクを浮き上がらせてから、純石鹸(石油系合成界面活性剤の入っていない無添加のもの)をネットでよく泡立てて作ったクリーミーな泡を顔の上で転がすようにして洗ってみました。
すると、だんだん肌の調子が良くなってきました。
実は私は夜に顔を洗ってメイクを落とすとき、横着をしてシャワーのお湯を直接顔に当てて洗い流していました。
熱いお湯で顔を洗い流すだけでも刺激が強すぎて肌に良くないのに、シャワーの水圧までガンガンかけていたのです(汗)
思い返せば、頻繁にシャワーで洗い流していた口まわりは、よく粉吹き状態になっていました。
そこで、顔につけた石鹸の泡を洗い流すときも、水かぬるま湯を使うようにしたら、ウソのように口まわりの乾燥が改善されていきました。
化粧水をやめるのはかなり勇気がいりましたが、形成外科医の落合博子さんによると、化粧水よりも油分が入ったクリームや美容液、オイルなど皮脂に近い成分を補って保護膜を作ってあげる方が肌に良いそうなので、洗顔後は保湿用のオイルを少しつけてから、セラミド美容液をつけるようにしたら、今のところイイ感じです。
もっと言うと、肌の調子が良ければオイルやセラミド美容液すらつけなくてもよく、重要なのは紫外線対策だそうです。
でも私は老化で減っていくセラミドを補いたいので、肌の調子を見ながら今後もオイルやセラミド美容液は使っていきたいと思います。
もちろん、これ以上シミ・シワが増えないように、日焼け止めをつけたり、日傘などを活用したりして紫外線対策もしっかりしていきます。
肌のお手入れを必要最低限にしたら、化粧品代もお手入れする時間も節約できたうえに、肌の調子も良くなって、お肌にとっても私にとっても良いこと尽くめでした。
これからも自分の肌の力を信じてサポートに努めていきたいと思います。
『9割の人が間違っている化粧品「効きめ」の真実』近藤須雅子さん(2014年 講談社さん)
『PHP 元気な自分は自分で作る”健康”と”キレイ”を手に入れるヒント』(2006年 PHP研究所さん)
『美容常識の9割はウソ』落合博子さん(2019年 PHP研究所さん)
『美人に化粧水はいらない』吉木伸子さん(2013年 講談社さん)
『50歳を超えても30代に見える生き方』南雲吉則さん(2011年 講談社さん)
『佐伯チズ メソッド 肌の愛し方 育て方 今までだれも言わなかったスキンケアの新提案50』佐伯チズさん(2004年 講談社さん)
『トップモデルが明かす 体が生まれ変わる「キレイ生活」1日24時間で自分を磨く本』宇佐美恵子さん(2003年 三笠書房さん)
『お医者さんが考えた「一週間」スキンケア 確実にきれいになる「美肌プログラム」』風本真吾さん(2001年 三笠書房さん)
『PHP ココロとカラダ「自分磨き」大作戦!つきあい力・外見力・家事力をアップ』(2008年 PHP研究所さん)
『体を壊す13の医薬品・生活用品・化粧品』渡辺雄二さん(2013年 幻冬舎さん)
『嫌われる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2013年 ダイヤモンド社さん)