スキンケアに時間やお金をかける前にやるべきこと
前回の記事では肌のお手入れをしすぎるとかえってトラブル肌になってしまうので、スキンケアは必要最低限にした方がいいという話について書きましたが、美肌のためには外からのスキンケアよりもずっとずっと重要なことがあります。
それは「インナーケア」、体の中からきれいにしていくことです。
インナーケアのカギを握るのが「腸」。
体内に取り込んだ栄養素を吸収して毒素を出してくれる腸は「第二の脳」とも言われるくらい重要な器官です。
腸は食事だけでなく精神状態の影響を受けやすく、暴飲暴食やストレスなどで腸内環境が悪くなると、内臓や血管の働きをコントロールする自律神経が乱れて、肌が荒れたりニキビなどができたりしてしまいます。
そんな状態では、どんなに外側から一生懸命スキンケアをしてもあまり意味がないのです。
医師の小林弘幸さんの著書『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』には、次のように書かれています。
「いつまでも若くきれいでありたい」「肌や髪を美しくしたい」「生き生きとした目力のある目になりたい」というのであれば、高価な化粧品やサプリメントに目を向ける前に、まずは自分の腸に目を向けることです。なぜなら、腸が整っていなければ、いくら高価なサプリメントを飲んでも高価な化粧品をつけても、その有効成分はほとんど体内に吸収されない。もっといえば、腸が汚れている状態=大もとの血液がドロドロ状態のままでは、どんなに高価なサプリや化粧品でカバーしても、ほとんど意味がないのです。
つまり、スキンケアに時間やお金をかける前に、まずは腸内環境を整えて腸をきれいにし、きれいな血液が体中を巡るようにすることが重要なのだそうです。
腸内環境を整える方法―4つのポイント
じゃあ、どうしたら腸内環境を整えて腸をきれいにできるんだろう?
腸も人間の身体全体と同じように、適度な運動、十分な休息(食べない時間を作る)、ストレス対策、そして、バランスのとれた食事が必要なようです。
1. 適度な運動
ストレッチやウォーキングなどの運動をすると血流が良くなるので、脂肪が燃えやすくなってダイエットに効果的なだけでなく、自律神経が整い、腸内環境が良くなります。
また腹筋運動やスクワットなどの筋トレで下半身を鍛えると、お腹や足腰に力が入りやすくなり、お通じがスムーズになって腸の中がきれいになります。
2. 十分な休息(食べない時間を作る)
しっかりと腸を休めてあげることも重要です。
消化器外科医の石黒成治さんによると、体内に悪いものが入ってこないよう守ってくれている腸内細菌の数は空腹時にコントロールされているので、あまり食事と食事の間隔がなく空腹時間が短いと、腸内環境が悪化してしまうそうです。
そこで食べない時間を確保するために、食べる時間帯を決めてメリハリをつけるのがポイント。食べる時間を8時間以内にして残りの連続16時間は食べないようにするのが理想だそうです。
「胃腸も8時間労働の方が幸せ⁉ 白湯と間欠的断食で快調&アンチエイジング」という記事に詳しく書きましたが、生命活動に欠かせない酵素の無駄遣いを防いで免疫力や自然治癒力を高めるためにも、夜の8時から翌日の正午(12時)までの連続16時間は、食べずに腸をしっかり休ませるようにすることが大切です。
つまり、腸内細菌の数のコントロール(悪玉菌が多くならないようにする)のためにも、体内酵素の無駄遣い防止のためにも、なるべく正午(12時)から夜の8時までの間だけ食事をとるようにすることが、腸内環境を整えるためのポイントのようです。
3. ストレス対策
腸は精神状態の影響を受けやすいため、緊張などで過度にストレスがかかると、自律神経が乱れて腸の状態が悪化してしまいます。
あまりストイックに「○○してはいけない」とか「何時に○○をしなければならない」などと自分に厳しくしすぎると、自律神経のバランスが崩れて腸内環境が乱れてしまうのです。ゆったり構えてがんばりすぎないことも重要です。
実際、私は夜の8時から翌日の正午(12時)まで食べない間欠的断食(=朝食をとらない)は免疫力アップやアンチエイジングに効果的だと頭ではわかっていても、便秘改善と体内時計のリセットを口実に思いっきり朝食をとっています(苦笑)
ただし、腸に負担をかけないよう基本的には酵素や酵素の働きを助けるビタミン・ミネラルなどが豊富な特製フレッシュジュースを朝食代わりに飲み、体内の貴重な酵素を無駄遣いしないようにはしています。
休みの日は時々カフェなどで朝食をとったり、早めのランチ(ブランチ)を楽しんだりすることもあります。
4. バランスのとれた食事
ポイントは二つ。腸に負担をかけないこと、腸内細菌の善玉菌を増やし悪玉菌を減らすことです。
① 腸に負担をかけないようにする
加齢とともに減っていく体内酵素を無駄遣いしないよう、高温加熱したものや食品添加物、薬などの加工品の摂り過ぎに注意する一方で、生の野菜や果物、生魚、納豆・味噌・しょうゆなどの発酵食品を摂って積極的に酵素を取り込み、腸に負担をかけないようにします。
② 腸内細菌の善玉菌を増やし悪玉菌を減らす
善玉菌の大事なエサになる水溶性食物繊維(納豆や海藻類、山芋・里芋などに多く含まれます)や、善玉菌の活性を助けてくれる日本古来の発酵食品(糠漬けや納豆・味噌・しょうゆなど)、善玉菌のエサになるオリゴ糖(玉ねぎやはちみつなどに含まれます)、悪玉菌には嫌われ善玉菌には好かれるお酢を積極的に摂って、腸内細菌の善玉菌を増やすことが重要です。
また、砂糖やサラダ油などの植物油を摂り過ぎると悪玉菌が増え、腸内で毒素が作られたり炎症を起こしたりして腸内環境が悪化してしまいます。
pH調整剤や乳化剤などの食品添加物も腸内細菌にダメージを与えてしまうそうです。
砂糖や植物油、食品添加物がたくさん入っているお菓子などの加工食品はなるべく食べないようにした方がいいようです。
そんなわけで、私は大好きだったチョコ菓子は避け、最近はなるべく食品添加物があまり入っていないプリンなどを選んで食べるようにしています。
これからどうするか
知れば知るほど「第二の脳」とも言われる腸はすごくデリケートだということがわかりました。
健康のためだけでなく、腸内環境を整えて体の中からキレイになるためにも、適度な運動、十分な休息(食べない時間を作る)、そして、バランスのとれた食事を意識しつつ、あまりストイックにはならないように気をつけていきたいと思います。
次回の記事では、私が朝食代わりに飲んでいる特製フレッシュジュースの作り方や効果について書いてみたいと思います。
『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』小林弘幸さん(2016年 幻冬舎さん)
『PHPからだスマイル じつはカラダに悪い食べもの』(2017年 PHP研究所さん)
『朝だけ断食で、9割の不調が消える!』鶴見隆史さん(2015年 学研パブリッシングさん)
『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』デビッド・A・シンクレアさん、 マシュー・D・ラプラントさん、梶山あゆみさん訳(2020年 東洋経済新報社さん)
『PHP コロナ時代の新健康習慣』(2021年 PHP研究所さん)
『PHP 老けない人の最強!食事術』(2020年 PHP研究所さん)