体脂肪1キロ減らすのに14,000kcal必要⁉
過去に自分が失敗したダイエットを検証してみたら、食事制限だけで痩せようとすると代謝が悪くなり、かえって太りやすくなってしまうことがわかりました。
そこで、食事制限だけで早く痩せようという発想はやめて、長い目で見て無理なく続けられるダイエットプランを考えてみましたが…
摂取カロリーを減らすだけではダメなら、運動で消費カロリーを増やして地道に体脂肪を減らしていくしかないってこと?
筋生理学者の石井直方さんの『一生太らない体のつくり方』には、体脂肪を1キロ減らす方法について次のように書かれています。
実際のエネルギー源は脂肪と糖質半々ですから、脂肪を一キログラム減らすには基本的には七〇〇〇キロカロリーではなくて、一万四〇〇〇キロカロリー消費しないといけないということになります。
脂肪を1kg落とすためには、約14,000kcalも消費しなければいけないのに。
運動だけで脂肪を落とすのはかなり大変
30~40代の体重50キロの女性が1時間ウォーキングをしても、消費エネルギーは約180kcal。
ということは、14,000÷180=約78時間もウォーキングしてようやく脂肪が1kg減る計算か。
しかも、脂肪は20分以上連続して運動しないと燃えないっていうし。
う~ん、いくら長い目で見るとはいえ、気が遠くなりそう。
だって、約2か月半(78日)も毎日1時間ウォーキングして1kgしか脂肪が減らないなんて。
それに、毎日1時間も連続してウォーキングする時間なんて取れるかな?
基礎代謝を上げて脂肪が燃えやすい体に
運動以外でもっと効率よくエネルギー消費量を増やす方法はないのかな…と、ありました!
私は度重なるダイエットで代謝が悪くなってしまったんだから、まずは基礎代謝を上げて動いていなくても脂肪が燃えやすい体にすればいいんだ!
というか、それをしておかないと今後も普通に食べるだけで太っちゃうか(汗)
実は、私たちが毎日消費しているカロリーのうち約6割以上は基礎代謝によるもの。
基礎代謝は、呼吸をしたり、心臓を動かしたり、体温を維持したりするために必要な最小限のエネルギーで、じっとしていても寝ている間も(!)消費されるのです。
ちなみに、運動で消費されるエネルギーは一日の消費カロリー全体の2~3割程度に過ぎません。
そして、基礎代謝に大きく関わっているのが、心臓や脳、筋肉。
それなら、心肺機能を高めたり、頭をよく使ったり、筋肉を増やしたりすれば、基礎代謝が上がるということか!
あ、でも脳のエネルギー源はブドウ糖だけだから、頭を使っても脂肪は燃えないかな?
脳はブドウ糖だけで働くエネルギー大量消費器官
精神科医である斎藤茂太さんの『脳を鍛える50の秘訣』には、次のように書かれています。
肉体の活動には、当然エネルギーがいる。脳も同様である。ただし、脳には二つの特殊事情があることを知っていただきたい。
脳はブドウ糖だけをエネルギー源とする特殊な器官であること。もう一つは、ものすごい量のエネルギーを必要とする器官であることだ。
何しろ、体重全体の約二パーセントの重さしかない脳が、体全体の一八パーセントものエネルギーを消費するのだ。いかに脳が大食いの器官であるかがわかるだろう。
お! 脳はブドウ糖をエネルギー源としてエネルギーを大量消費するなら、頭を使えば甘いものをたくさん食べてもいいってこと? ウッシッシと思いきや…
残念ながら、糖分を摂りすぎるとかえって脳に栄養が行かなくなるようです。
糖尿病にもなりますし。やはり「過ぎたるは猶及ばざるが如し」なのですね(涙)
しかも医師の南雲吉則さんの『50歳を超えても30代に見える生き方』によると、確かに脳のエネルギー源は糖なのですが、たんぱく質も脂肪も体内で糖になるので、必ずしも糖そのものを摂る必要はないようです。
頭をよく使っても大してエネルギーは使われない
ん? ということは、頭をよく使えば脂肪も糖になって脂肪が燃えるということ?
どうも、脳は生命を維持するために体の各器官に指令を出してフル稼働しているからエネルギーを大量に消費するのであって、考え事や計算等で頭をよく使うようにしても大してエネルギー消費量は増えないようです。
ただ、考え事などをして集中していると、摂食中枢の働きが抑えられるため、食欲が減って摂取カロリーも減ることで太りにくくはなるようです。
自己受容ダイエット―甘いものが好きな自分を受け入れてストレス対策という記事にも書きましたが、やっぱり太りたくなければ何か夢中になれるものを見つけることが重要なんですね。
脂肪燃焼のカギは心肺機能向上と筋肉増強
頭を使ってもあまり脂肪は燃えないなら、脂肪を燃やすためには、心肺機能を高め、筋肉を増やして、代謝を上げていくことが、今の私の最優先課題ということか。
筋力トレーニング(筋トレ)をすれば筋肉は増やせるけど、心肺機能を高める方法といえば有酸素運動?
よく考えたら筋トレも無酸素運動だから運動だし。
あ、あれ? また運動に戻ってしまった(汗)
運動には有酸素と無酸素運動があるー「使用の心理学」とダイエット
スタート地点に戻って頭の中を整理してみよう。
運動以外でもっと効率よくエネルギー消費量を増やす方法はないかと考えていたけど…
私が最初に運動だけで脂肪を燃やすのは大変と考えたときの「運動」はウォーキング等で、脂肪を直接燃やしてくれる有酸素運動のこと。
確かに、有酸素運動で消費されるエネルギーは微々たるものだけど、有酸素運動は心肺機能を高める効果もあるから、代謝を上げるためにやった方が良さそう。
一方、筋トレは無酸素運動で、消費するのはほぼ糖質のみ。だから運動だけで脂肪を燃やすのは大変と考えたときの「運動」には含まれていなかったわけか。
確かに、無酸素運動では脂肪は燃えないけど、筋肉を増やして代謝を上げるためには、筋トレは重要だな。
結局、最も効率よく消費エネルギー量を増やす方法は、基礎代謝を上げるための運動(有酸素運動と無酸素運動)が遠回りに見えて近道というわけか(苦笑)
アドラー心理学では、与えられたものをどう使うかに注目し、変えられるものは変えていき、今の自分が自分の人生を決められると考えます(使用の心理学)。
例えばもっと背が高かったらな…と思っても、成長期を過ぎてしまった大人が身長を変えることはできません。
しかし大人になってからも、筋トレで筋肉を増強させたり、ウォーキングやランニングなどの有酸素運動で心肺機能を高めたりすることはできます。
筋肉が増えたり心肺機能が高まったりすれば基礎代謝が上がり、じっとしていてもエネルギーをたくさん消費する太りにくい身体に変えていくことができるのです。
そして、問題は実際に努力するか、しないかです。
もし瘦せたいと言いつつも地道に筋トレやウォーキングなどをしないのであれば、それは「変わりたくない」ということです。
現状に対して多少の不満があっても、今のままでいた方が楽(らく)だからです。
効率的に心肺機能を高める方法とその危険性
ちなみに、心肺機能を高めるには、短距離走のような息が切れる強度の強い無酸素運動と、ウォーキング等の息が切れない程度の強度の弱い有酸素運動を交互にするのが効率的なようです。
でも私はかなりの運動音痴。しかも、恥ずかしながら運動習慣はほとんどありません。
そんな私が急に激しい運動を始めるのは、かなり危険ですし、続けられる自信もありません。
再びご登場願います。筋生理学者の石井直方さんの『一生太らない体のつくり方』によると、無酸素運動について次のように書かれています。
無酸素運動は、短距離の全力疾走に代表されるように、酸素を取り込まずにおこなわれる運動のことです。短距離の全力疾走などは、普段、運動をしていない一般の人には危険です。極端な血圧の上昇をまねき、心臓や血管の負担になります。
しかし、だからといって、十把一からげに、「無酸素運動は危険」「無酸素運動は避けるべきだ」というのは、少し違います。実際には、そういういわれ方が頻繁になされるのですが、注意が必要な無酸素運動は、短距離の全力疾走のようなものだけです。
…「筋トレは無酸素運動だから危険」といって避ける理由は、どこにもないのです。それどころか、筋肉を太くし、筋肉量を増やし、代謝の高い体にするには、筋トレがもっとも近道です。
やはり、運動習慣のない私が、短距離走のような無酸素運動とウォーキング等の有酸素運動を交互に行って心肺機能を高めようとするのは危険なのですね。
短距離走と筋トレは同じ無酸素運動でもずいぶん違うんだなぁ。
これからどうするか
そんなわけで、まずは筋トレ(無酸素運動)で筋肉を増やしつつ、ウォーキング(有酸素運動)で地道に脂肪を減らしながら心肺機能を高め、基礎代謝を上げて省エネ体質を改善することにしました。
次回の記事では、実際に私がやってみた筋トレと有酸素運動の具体的な内容について書いていきたいと思います。
『一生太らない体のつくり方』石井直方さん(2008年 エクスナレッジさん)
『脳を鍛える50の秘訣』斎藤茂太(しげた)さん(1997年 成美堂出版さん)
『50歳を超えても30代に見える生き方』南雲吉則さん(2011年 講談社さん)
『嫌われる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2013年 ダイヤモンド社さん)