ダイエットを始める前の心の準備
「自己受容ダイエット―まずは太っている自分を受け入れてストレスをなくす」という記事にも書きましたが、私は以前の瘦せていたころの自分が忘れられなくて、太ってしまった醜い自分をどうしても受け入れられず、それが大きなストレスになっていました。
そのストレスのせいで、ストレス食いしてさらに太ってしまうという悪循環。
痩せたいと思えば思うほど、こんなのは本当の私じゃないという思いが強くなり、かえってストレス太りしてしまったのです。
この悪循環を断ち切るために、私は太った自分を受け入れることを決意しました(自己受容)。
高校時代まで20年近くもダイエットと無縁の人生を送っていた私からすれば、この決断にはかなり抵抗がありました。
でも不思議なことに、自分の理想とはかけ離れた今の自分を受け入れた瞬間、心がふっと軽くなりました。
今の自分を受け入れることで心が金縛り状態から解放され、前に進む勇気が湧いてきたのです。
ダイエット中のストレス対策を考える
今の自分を受け入れたことで、太った自分を認められないことによる大きなストレスはなくなりました。
でも日々の生活でイライラが募り小さなストレスが積み重なってくるとストレス食いに走ってしまうし、ダイエット中だからと食事に気をつけようと思うと、かえって食べたくなってしまいます。
そこで、音楽を聴いたり、歌を歌ったりして気持ちを切り替えてストレス発散するようにしました。
リズムに乗るとセロトニンというホルモンが出て幸せな気分になれるので、大好きな音楽を味方につけることは私にとってとても効果的でした。
なにか夢中になれるものを見つけることも効果的で、歌を歌ったり大好きな読書を楽しんでいたりすると、ダイエットのことを忘れることができました。
逆説的ですが、ダイエットしようと思わない方が食欲をコントロールできて太りにくくなるのです。
ダイエット中の食事
まずは便秘を解消して太りやすい体質を改善するため、朝食を食パンからオールブラン(一番食物繊維の多いブランリッチ)に切り替えました。
毎朝牛乳をかけて食べていたら、2週間ほどで2キロ減!
宿便がとれて、お腹がスッキリしました。ケロッグさん、ありがとうございます!
その他の食事については、私はダイエットの繰返しでかなり小食になっていたので、様子を見ながら少しずつ増やして普通の量に戻していきました。
それ以上の食事制限はもう限界でしたし、食事制限をやめない限り省エネ体質を改善できないからです。
実はこれが一番大変で、半年以上かかりました。
お腹が空いたら食べていいことにし、腹八分目を意識して、よく噛んでゆっくり食べるようにしました。
が、ダイエット当初は悲しいくらいお腹が空かず…
それでも地道に筋トレとウォーキングを続けていたら、少しずつですがお腹が空くようになり、美味しくご飯を食べられるようになりました。
そして、おやつは1日1つだけ甘いものを食べてもいいことにしました。
量よりも質を重視して、そのとき自分が一番食べたいと思ったものを厳選します。
きれいにお皿に盛り付けて、ルイボスティーなどカフェインの入っていない飲み物と一緒にいただきます。
紅茶や大好きなコーヒー(どちらもブラック)もポリフェノールが血糖値を下げてくれるので、たまにならOKにしました。
甘いものをやめられるなら、ダイエットだけでなく、健康のためにも食べないに越したことはありません。
ただ私の場合は甘いものを我慢するとストレス食いに走ってしまうので、自分へのご褒美として甘いものを食べた方がストレス対策になり暴飲暴食を防げました。
ダイエット中の運動
食事制限だけで早く痩せようという発想はやめて無理なく続けられるダイエットプランを考えてみたら、結局、最も効率よく痩せる方法は、基礎代謝を上げるための運動(有酸素運動・無酸素運動)と体脂肪を燃やす運動(有酸素運動)を組み合わせることでした。
そこで、筋トレ(無酸素運動)で筋肉を増やしつつ、ウォーキング(有酸素運動)で地道に体脂肪を減らしながら心肺機能を高め、基礎代謝を上げて省エネ体質を改善することにしました。
筋生理学者の石井直方さんご考案のスロートレーニング(略してスロトレ)という方法で筋トレすれば、筋トレ後すぐに代謝が上がって体脂肪が燃えやすくなり、その状態が6時間も続くということで…
できるだけ体脂肪がたくさん燃えるよう、朝のうちにスロトレする時間(前後のストレッチと整理体操も合わせて10~15分)を作り、その後6時間以内にウォーキングする時間(40分くらい)も確保しました。
ウォーキングは体脂肪を燃やすだけでなく、心肺機能を高めてくれるので、代謝も上がって一石二鳥です。
その他にも日常生活の中で自然に筋肉を鍛えるため、お腹に力を入れてしっかり胸を張り、背筋を伸ばして常に良い姿勢を保つよう心がけます。
通勤や買い物などで歩くときは、脚のつけ根から足をしっかり持ち上げることを意識し、なるべく大きな歩幅で一直線上を歩くようにしました。
駅などではエスカレーターを使わずに階段を上り下りすることも心がけました。
ダイエットプランのまとめ
1.食事
朝食はオールブラン+牛乳+ブラックコーヒー1~2杯、お昼はしっかり食べ、夜は軽めの食事をとります。
おやつは1日1つだけ甘いものを食べてOK。仕事や用事を済ませた後に自分へのご褒美として、きれいにお皿に盛り付けてルイボスティーと一緒に味わって食べます。
ときには、お気に入りのカフェでケーキと淹れたてのドリップコーヒーや紅茶(どちらも無糖)をいただくことも♪
2.筋トレ(スロトレ)
週に2回以上筋トレしないと筋肉は増えないそうなので、下半身を月水金の3回、上半身を火木の2回行い、土日祝日はお休み♪
下半身はスクワットなど、上半身は腕立て伏せなどの各種筋トレを20回ずつ、筋肉を緩めずにゆっくり行います。
理想は1種目10回を3セット(30回)ですが、私は10回を2セット(20回)やることにしました。
時間にすれば10分ほどなのですが、ほとんど休みなしで筋トレするのは、20回でもけっこうキツイんです。
無理して続けられなかったら意味ないですし(汗)
そして、筋トレ時の呼吸法が重要で、息を吸うのは筋肉が伸びているとき、息を吐くのは筋肉が縮んでいるときです。
筋肉に力を入れる前の準備段階に息を吸い、力を入れるときに息を吐くのです。
例えばスクワットなら、膝を曲げるときに息を吸い、膝を伸ばすときに息を吐きます。
3.有酸素運動
ストレッチをする前に身体を温めておかないと筋肉を痛めてしまうそうなので、平日の朝ちょっと早起きして支度し、身体が温まったころにストレッチをします。
そしてスロトレで上半身と下半身の筋肉を1日おきに鍛え、整理体操でクールダウン。
前後のストレッチと整理体操を合わせて、スロトレの所要時間は15分ほどです。
その後6時間以内に40分くらい音楽を聴きながら楽しくウォーキングします。
週末は買い物やレジャーなどで楽しく歩き回るようにしました。
ちなみに、ストレッチをすると血行が良くなって脂肪が燃えやすくなるので、スロトレ前にやってケガを防ぐことも重要ですが、ふだんから小まめにストレッチすると痩せやすくなってお得なようです。
ダイエットの結果ーキーネーシス的人生と効率性
実は、最初の1~2か月くらいは体重が減るどころか、むしろ増えてしまいました(汗)
スロトレとウォーキングを組み合わせれば効率的に痩せられると期待しすぎて、結果がすぐに出ないことにイライラしてストレス食いに走ってしまったのです。
あれだけストレス対策を万全にしていたのに…
かなりの省エネ体質になっていたのか、なかなかお腹が空かず、食事の量を調整するのが難しかったこともダイエットがうまくいかない大きな原因でした。
残念ながら私のようにダイエットを繰り返して筋肉の少ない省エネ体質になってしまうと、すぐに結果が出るということはありません。
結果が出るまで時間はかかるものだと割り切って地道に続けることが、ストレス食いを防ぎ、遠回りに見えてダイエット成功への近道です。
結局ダイエット開始後3カ月目くらいから月1~2キロくらいのペースで体重が減っていき、半年ほど経ったころには7キロの減量に成功!
それからは、普通に食べても太りにくくなりました。夏には食欲が落ち、瘦せすぎてしまうことも!
「自己受容ダイエット―甘いものが好きな自分を受け入れてストレス対策」という記事や、「確実に痩せるために自分が失敗したダイエットを振り返る」という記事にも書きましたが、アドラー心理学では、できるだけ早く効率的に目的地に着こうとする人生を「キーネーシス的人生」と呼びます。
私は「スロトレ後に有酸素運動をして痩せる」という効率的なダイエット法を知り、これを実践(じっせん)すればすぐに痩せられる! と期待し過ぎてしまいました。
そして気づけば、いつも効率的に痩せることばかり考え、すぐに結果が出ないとイライラしてストレス食いに走ってしまいました。
まさにキーネーシス的人生を歩んでいたのです。
むしろ結果がすぐに出なくて当たり前と割り切り、遠い未来を見ずに目の前の小さな目標をクリアしていくことに集中するようにしたら、無意識のうちにエネルゲイア的人生を実践し、いつのまに痩せていました。
過去も未来も見ず「いま、ここ」を真剣に丁寧に生きることが成功へのカギなのです。
これからどうするか
30歳を過ぎると筋肉は使わなければ落ちていく一方だそうです。
今後も筋トレ(スロトレ)は続けて筋肉が減らないようにしつつ、普段の生活の中で小まめに動くようにして体型を維持できるようがんばります。
いつもダイエットのことで頭がいっぱいでしたが、他にやりたいことをする気持ちの余裕ができました!
それからは、ダイエットよりも自分が本当にやりたいこと、やるべきことにもっと時間を使っていくようにしました。
『一生太らない体のつくり方』石井直方さん(2007年 エクスナレッジさん)
『35歳からの美女の筋トレ』石井直方さん(2010年 三笠書房さん)
『らくらくダンベルボディメイク』大島みどりさん監修(2005年 西東社さん)
『あなたは7秒でやせられる』湯浅景元さん監修(2002年 学習研究社さん)
『心理学の先生が教える「読む」だけダイエット』市村操一さん、小澤まやさん (2006年 三笠書房さん)
『運動前のストレッチはやめなさい 体を痛めず硬さをほぐす 効果倍増メソッド』中野ジェームズ修一さん(2014年 SBクリエイティブさん)
『50歳を超えても30代に見える生き方』南雲吉則さん(2011年 講談社さん)
『甘いものは脳に悪い』笠井奈津子さん(2011年 幻冬舎さん)
『朝だけ断食で、9割の不調が消える!』鶴見隆史さん(2015年 学研パブリッシングさん)
『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい カラダが糖化しない賢い生活術』牧田善二さん(2012年 SBクリエイティブさん)
『嫌われる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2013年 ダイヤモンド社さん)