いつのまに愛されるためのライフスタイルを選択していた⁉ーライフスタイルの選択
他人軸で生きると幸せになれないと気づき、自分軸を模索し始めましたが…
私って一体何がやりたいんだろう。
よく考えてみたら、自分がやりたいことをちゃんと考えたことなんてなかったかも⁉
だって「あれしちゃダメ、これしちゃダメ」と教育され、大人の言いなりになって優等生になることが子どもの頃の賢い(?)生き方だったから。
子どもは身体的にも経済的にも未熟で自立できていないので、親に愛されて守ってもらえなければ生きていけなかったのです。
子どもの頃は、親の注目を得て愛されるために親の期待に応えようとしていました。
それが大人になるにつれて、親だけでなく学校の先生や友人、恋人、会社の上司や同僚、 さらには社会、世間一般の期待にまで応えようとするようになっていたのです。
アドラー心理学では、このような生き方を「愛されるためのライフスタイル」といいます。
私はいつのまに「愛されるためのライフスタイル」を選択していたなんて!
なるほど、だから私は無意識のうちに他人の期待に応えようと他人がどう思うか気になり、他人軸で生きていたのか…
私も含めて日本人の幸福度を押し下げているのは、この他人軸で生きることなのかも⁉
アドラー心理学では、狭い意味で性格や気質(きしつ)、広い意味で世界や自分をどう見ているかを、ライフスタイルという言葉で説明します。例えば引っ込み思案(ひっこみじあん)な性格や、他人はみんな敵だという世界観を持ったりすることです。
そして、人は10歳前後の頃に自分のライフスタイルを選択すると考えられています。
小学生の頃に自分のライフスタイルを選択した覚えなんてないけど?と思うかもしれません。
しかし私が子どもの頃そうだったように、意識するしないにかかわらず、誰もが生きていくために「愛されるためのライフスタイル」を選択せざるを得なかったのです。
周りの大人の期待に応えようと頑張っていたなんて健気だなと思いきや…
実は「愛されるためのライフスタイル」とは、どうしたら他者からの注目を集めて「世界の中心」に立てるかを模索する自己中心的な(!)ライフスタイルなのです。
親や周りの大人の期待に応えようと優等生になることも、親や周りの大人の注目を得ようとわざと反抗して悪いことをすることと本質的には同じです。
どちらも自分が世界の中心に立って周りの大人を支配して愛されることしか考えていないのですから。
しかも「愛されるためのライフスタイル」を選択したことに気づかずにいると、どうしたら周りの人から好かれ愛されるかをさらに模索し続けることになります(!)
やりたくないことから考えてみる
自分がどうして他人軸で生きるようになってしまったのかは分かりましたが…
私は何をやりたいのか考えてたんだった!(汗)
私がやりたいことって何だろう? 私はどんな仕事をしたいんだろう。
やりたくないことや、やらなきゃいけないことは、いっぱい思いつくのにな(苦笑)。
まぁ、とりあえず選択肢からやりたくないことを消してていくか。
私は決められた場所で決められた時間に拘束されるのが大の苦手。
特に朝早くから出勤したくないのです。ただでさえ朝は家事で忙しいのに、さらに自分の身支度も済ませて家を出ないといけないなんて…
実は資格試験の勉強をやめてすぐに、とりあえず働こうと会社勤めをしていた時期がありました。
残業が多い上に持ち帰りの仕事もあり、深夜1時頃に寝て翌朝5時に起きる生活を続けていたら、体力的にも精神的にも参ってしまったのです。
これでさらに子どもがいたら私は壊れてしまっていたかもしれません。
そんな私は、家事や育児をこなしつつ、身だしなみもきちんとしてフルタイムで働いている方々を本当に心から尊敬します。
仕事を通して自分の好き嫌いや得手不得手を考えてみる
…と、それは私にはフルタイムの会社勤めは無理ってことじゃない?(汗)
しかも夫が転勤族なので、会社に就職しても突然引越しで辞めなければならなくなる可能性があるのです。
実際、夫の海外赴任でパートタイムの仕事を辞めたこともありました。
だとしたら、引っ越しても国内外を問わずどこでも続けられる仕事…在宅ワークか!
在宅ワークといえば、データ入力やプログラマー、ウェブデザイナー、翻訳、作家などの執筆業(ライター)、校正などがあります。
これらの中で私に向いてるのはどれだろう?
データ入力みたいな単純作業は退屈だから好きじゃないし、残念ながらプログラマーやウェブデザイナーになれるほどのPCスキルはありません。
海外移住を機に勉強した英語を活かそうと、過去に出版翻訳の勉強をしたことがありましたが、英語を自然な日本語にするのは想像以上に難しくて私には無理でした(汗)
資格試験の勉強で身につけた専門知識を活かして、専門書の校正をやってみようと校正の資格をとったこともありましたが…
実際に校正の仕事をしてみると、原作者(原稿を書いた人)を尊重して必要最小限しかペンを入れることができないのが私には苦痛でした。
余計なお世話ですが、もっとこう書いた方がいいのになぁとか思ってしまうのです。
いろいろやってみたら、どうも私は翻訳や校正のように原作者の意思に沿って忠実に仕事をするのは苦手で、自分でゼロから文章を書くようなクリエイティブな仕事が好きなのかもと気づきました。
執筆業(ライター)か…そういえば子どもの頃から文章を書くのが得意でしたし、暇さえあれば本を読んでるかも⁉
やりたくないことを避け続けて天職に就いた芸能人
現在は主にタレントとして活躍されているYOUさんは、やりたくないことを削ぎ落していったらポジティブなものが残り、今の仕事に辿り着いたそうです。
『PHP 自分らしく生きなさい』(PHP研究所さん)の記事によると、
…若い頃には、将来なりたいものとか、働きたいっていう意欲も何もありませんでした。取り立てて得意なことがあるわけでもないし、資格や免許を持っているわけでもない。
「じゃあ、自分にはなにができるかな?」と考えて、好きなこと、嫌いなこと、楽しかったこと、つまんなかったこと、どうでもいいことなんかを全部書き出してみました。その書き出したリストを見ると、圧倒的に「嫌いなこと」が多かったんです。まず「働くうえで絶対やりたくないこと」をリストアップしていって、「絶対やりたくない」がない仕事を消去法で選んだんです。
たとえば、「混んでいる電車に乗りたくない」「毎日定時に同じ場所に通うのは無理」「毎日同じ作業、同じ人と働くこともやりたくない」と。そういう条件をすべて満たすのが、今の仕事だったんです。…「嫌だ!」っていうことの方が私にとっては大事なことだったんです。
私はYOUさんが歌手をされていた頃から好きでずっと見ていたので、この話を知って意外に思いました。自由に好きなことをやって生きているカッコいい女性だと思っていたからです。
「毎日定時に同じ場所に通うのは無理」って、私と同じ思考回路だったなんて!
YOUさんの自分軸の見つけ方はネガティブなように思えます。
でも子どもの頃から周りに合わせて本当の自分を押し殺すように教育され、自分のやりたいことが見えにくくなっている多くの日本人には、この方法は意外と合っているのかもしれません。
これからどうするか
面白いことに、やりたくないことからスタートしたら、自分の好きなことや嫌いなこと、得意なことや苦手なことまで見えてきて、まさかの自分が好きで得意な仕事に辿り着きました。
実は、ここまで辿り着くのに試行錯誤して10年かかりましたが(汗)
私もYOUさんのように執筆業を天職にできるよう、まずはブログやウェブライターから始めて、将来的には本も出版できるよう頑張ってみようと思います。
『幸せになる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2016年 ダイヤモンド社さん)
『PHP自分らしく生きなさい』PHP研究所さん編(2016年 PHP研究所さん)
『幸福途上国ニッポン』目崎雅昭さん(2011年 アスペクトさん)
『大好きなことをやって生きよう!』本田 健さん(2013年 フォレスト出版さん)
『無駄のないクローゼットの作り方~暮らしも生き方も軽やかに~』熊倉正子さん(2017年 講談社さん)