夫婦同額の小遣いは聖域⁉ ムダを抑えるダム
前回の記事では、我が家の家計で特にお金がかかっている車の維持費、レジャー代・娯楽費、小遣いのうち、車の維持費やレジャー代を減らしてしまったら今を楽しめず幸せになれないという話について書きました。
車は手放さずに引き続きレジャーを楽しむとしても、小遣いは減らせそうですが…
実は、我が家の家計に占める小遣いの割合が比較的大きい理由は、夫が私にも自分と同額の小遣いをもらってほしいと言ってくれているからです。
私が仕事をしているか否かにかかわらず、いつも家事をきちんとこなしていることに対し、夫は感謝し尊重してくれているようです。
そのことが、私にとっては、夫が気持ちよく過ごせるように家の中をきれいにしたり、家族の健康を考えて料理したり、タオル好きな夫のために計画的に洗濯したりする良いモチベーションになっています。
また、夫も私も同額の小遣いをもらうことで、支出がその範囲内に抑えられるというメリットもあります。
実は我が家の場合、小遣いには散髪代(美容院代)や被服費(仕事着は除く)、個人的に使う食費・外食費(交際費)や化粧品代、本代なども含まれていて、その範囲内でお金を使うので、際限なく支出が増えてしまうことがないのです。
夫婦同額の小遣いは、まさに家計のムダな出費を抑えるダムの役割を果たしているのです。
この点、家計のためにと小遣いをもらわない主婦の方の心意気は素晴らしいと思います。
でも多くの女性の場合、化粧品代や美容院代、洋服代などにお金がかかりがちなので、結局かえって例外が多くなって、際限なくお金を使ってしまう気がします。
これは、あくまで人によるとは思いますが(汗)
貯蓄が多ければ多いほど人生の危険度は上昇していく⁉
小遣いが多すぎて全く貯蓄できないのは考えものですが、貯蓄しすぎるのも問題です。
心理カウンセラーの諸富祥彦さんは著書『「とりあえず5年」の生き方』の中で、分不相応のお金の使い方は身を滅ぼしてしまう一方で、「神経症的なお金の貯め方」もまた人生を空虚にしてしまうとして、作家の角田光代さんのエッセイを紹介されています。
私がもっとも恐怖するのが、なんにもお金を使わなくって、貯金額だけが異様に高い、ということだ。一度そういう人に会ったことがある。三十代後半だったその人は、まるで自己紹介するみたいに、自分には貯金がいくらある、と平気で(というより得意げに)言っていた。映画も見ず、酒も飲まず、外食もせず、旅行もせず、貯めたお金なんだなあとすぐにわかった。だって、その人、中身がなんにもなかったのだ。…数字は積み上がるが、内面に積み上がるものは何もない。
ゆたかであるというのは、お金がいくらある、ということではけっしてないのだ、とその人を見て知った。そういう意味で、まずしいまま年齢を重ねることが、私はとてもおそろしい(『しあわせのねだん』角田光代、新潮文庫)
老後に対する漠然とした不安から貯蓄そのものが目的になってしまう人もいますが、お金はあくまで手段。
自分が本当にやりたいことをするために、無駄な出費は抑えつつ、お金を使うことが本当の豊かさや幸せにつながっていくのではないかと思います。
働くよりもデイトレ(投資)でお金を増やした方がいいのか
心理カウンセラーの諸富祥彦さんは「投資に燃えて、時間やエネルギーを浪費する人」も人生を楽しみ豊かにしていく時間を無駄使いしてしまっていると警鐘を鳴らしています。
実際、私もデイトレをやったことがあるのですが、株式市場が開いていない時はひたすら情報収集し、株式市場が開いている間はずっと相場をチェックして一喜一憂していました。
本当は他にもやりたいことがいっぱいあるのに、平日は家事とデイトレだけで一日が終わってしまうことも。
ある日ふと、こんなことに自分の時間や労力を使うのは虚しいと思い、デイトレをやめました。
結局、いくつになっても稼げるよう手に職をつけた方が老後の生活にも困らないですし、仕事をして人の役に立つ方が充実した人生を送れるのではないかと思います。
お金に好かれる人と金の亡者
税理士の亀田潤一郎さんは著書『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』で、次のように書かれています。
何の目的ももたないままお金を必死にためる人に待っている将来は、「お金の亡者」でしかないように思います。
お金に好かれている人というのは、お金の亡者ではありません。お金と気持ちよくつきあっていける人です。お金というのはただもっているだけでは意味がない、使ってこそ価値が出ることを知っている人です。そしてお金が、同じ使われるなら「うれしい使い方をしてもらいたい」と思っていることを、きちんと心得ている人です。
無目的に貯蓄せず、自分にとって必要なお金をしっかり計算して貯蓄額に上限を設ける。
そして、何かあったときのために半年から一年分くらいの生活費を確保したうえで、自分にとって優先順位の高いことから順にお金を使っていく。
お金の持主が自分のやりたいことにお金を使って楽しそうにしていたら、お金もきっとうれしいですよね。
誰かのお祝いなどや困っている人のために惜しみなくお金を使い、相手が喜ぶ姿を見て自分も喜ぶ。
お金はこんな人にも使ってもらいたいと思ってそうですね。
これからどうするか
家計簿をつけたら、自分の家計状況が把握できただけでなく、何にお金をかけたいのかが見えてきました。
私にとってお金は、大切な家族、親せき、友人・知人たちと充実した時間を過ごすために使ったり、本を買ってカフェで読書しながらお茶したり、自分の選択肢を広げるために使ったりしてこそ、生きてくるものだと分かりました。
私もお金に好かれるように、お金の「うれしい使い方」ができる人間になれるよう、努力していきたいと思います。
さらに一歩進んで、少しずつでも寄付などをもっとしていけたらなと思います。
『「とりあえず5年」の生き方』諸富祥彦(よしひこ)さん(2010年 実務教育出版さん)
『稼ぐ人はなぜ、長財布を使うのか?』亀田潤一郎さん(2010年 サンマーク出版さん)
『幸せな小金持ちへの8つのステップ』本田 健さん(2006年 サンマーク出版さん)
『年収90万円で東京ハッピーライフ』大原扁理(へんり)さん(2016年 太田出版さん)