人生いつでも今が出発点。スムーズに一歩踏み出すためのヒント

変わりたいのに変われないときは整理整頓してみる

アドラー心理学によると、人が「変わりたい、幸せになりたい」と思いつつ変われないのは、自分で変わらないと決心し続けているからだそうです。

「すべては使うか使わないか。現状を認めてモノを手放すと幸せになれる」という記事にも書きましたが、私は英語をペラペラ話せるようになりたいと思いつつも、本気で勉強して失敗したら自分の本当の実力が分かってしまうのが怖くて、「もっと時間があればできるのに」と言い訳をして、大量に買い集めた英語教材を使わずにいました。

自分の苦手なことから逃げている方が楽というのも大いにありましたが(汗)

とにかく、私は変わりたいと思いつつ、変わらないという選択をし続けていたのです。

でも大量の英語教材をスキャナーで電子化して、一応いつでも使える状態にして安心して処分し、欲張らずに1回15分程度のラジオ英語講座を平日だけ毎日聴くようにしてみたら、本当に少しずつですが英語が口から自然に出てくるようになってきました。

まだまだ外国人の友達と気軽に英会話を楽しめるレベルまではいけてませんが、以前よりも間違えることを(おそ)れなくなったことは、私にとっては大きな進歩です。

整理整頓してスッキリすると、自然と新しいことがしたくなるようです。

荷物が少なくて身軽だとアクティブに旅行が楽しめるように、大量の英語教材を整理して処分したら決断力がつき、ラジオの英語講座に絞って新たなスタートを切ってみようと一歩踏み出せたのです。

そういえば、学生時代どうしても勉強する気になれないときは、机の上を片づけて勉強道具を整理整頓したらモチベーションが上がったような。

コンプレックスは強みに変えられる

作家の志茂田景樹さんは、音痴(おんち)というコンプレックスを乗り越えた経験を雑誌『PHP 挑戦しよう 人生、遅すぎることはない』のインタビューの中で、次のように話されています。

今の若い人は心の床にラインを引いてしまっているようです。傷つきたくないので自分で線を引いて、そこから踏み出さない。バリケード(障害物)ではないので、線は軽く越えられるのに決断できず、ラインの手前でどうしようか思い悩んでいる。

…だから、まず一歩前に踏み出したらいい。ラインを越えてみれば、不安や(おそ)れが取り越し苦労だとわかります。もし傷ついたとしても、その経験が自分を強くしてくれます。

音譜(おんぷ)通りに歌わなければいけないと思いこんでいるけれど、歌は自分が歌いたいように心をこめて精一杯大きな声で歌えばいいのではないか、と。それで開き直って、次の機会に当時流行っていた「勝手にしやがれ」を歌った。劣等感ゆえに心の床に引いていたラインから一歩踏み出したのです。そうしたら「お前にしか歌えない」と大いに受けて、お義理ではない拍手が知らない人からも湧き起こったのです。以来、マイクをもつことが大好きになりました。

恥ずかしい体験をすると、人はコンプレックスを膨らませてしまう。他人はすぐに忘れてしまうのに、自分の中ではずっと引きずっている。でも、それをさらけだしてしまえばコンプレックスなんて無意味だとわかります。すると劣等感が強みに変わる。傷つきたくなくて引いたラインを越えて挑戦すれば、楽になり、新しい世界が開けます。

私も大学生の頃カナダに短期留学したときに、私の発音が悪くて「ベーコン」がどうしても通じず、お店の人や周りの人に笑われたのがトラウマになって、英語の発音が下手だということが私の中で大きなコンプレックスになっていました。

でも発音が上手なことよりも自分の気持ちを一生懸命伝えようとすることの方が大事だと開き直り、外国人と話すときに自分のできる範囲で発音に気をつけながら言いたいことを伝えようと努力していたら、相手も私の話を理解しようとしてくれるようになりました。

ありがたいことに、気づけば今では私の下手な英語に熱心に耳を傾けてくれる素晴らしい友人たちに恵まれています。

自分のコンプレックスをさらけ出してラインを越えたら新しい世界が開けたのです。

面白そうだと思ったらチャンスに飛び乗ってみる

自分の中に大きなコンプレックスがあると、一歩踏み出すのにかなり勇気がいりますが、小さな勇気で前に進めることもあります。

少しでも面白そうだと思ったら、自分のところにやってきたチャンスに迷わず飛び乗ってみると、小さな勇気が大きな変化につながることもあるのです。

ライブドア創業者の堀江貴文さんの著書『ゼロ』には、次のように書かれています。

大学時代の僕は、ヒッチハイクの誘いに飛びついた。別にヒッチハイクによって自分の性格を変えようとか、殻を破ろうとか、高尚な目的意識があったわけではない。ただ「おもしろそう!」と思い、勢いにまかせて飛びついただけである。そのチャレンジが自分を変えるきっかけになったのは、ただの結果論だ。

僕はこの「チャンスに飛びつく力」のことを、向上心とか目的意識とか、そんな堅苦しい言葉で語りたくはない。もっとシンプルな、人としての「ノリのよさ」だと思っている。フットワークの軽さ、好奇心の強さ、そしてリスクを承知で飛び込んでいける小さな勇気。それらの総称が「ノリのよさ」だ。

堀江貴文さんは、面白そうだからとその場のノリでヒッチハイクの誘いに乗ってみたら、ヒッチハイクによる小さな成功体験を積み重ねることで、コンプレックスだらけの自分に自信を持てるようになっていったそうです。

私もイギリスのロンドンに住んでいたとき、軽い気持ちで誘いに乗ってみたら、そこからどんどん世界が広がっていくという不思議な体験をしたことがあります。

日本文化を伝えるボランティア活動でイベントのお手伝いをしていたら、会場にいた日本人女性が「日本語教師のボランティアをやってみませんか。興味があったら電話してください」と言って連絡先を教えてくれました。

日本語教師の勉強なんてしたことはなかったのですが、面白そうだなと思い、ボランティア活動に参加させてもらうことにしました。

そのボランティア活動に参加していた方々は、みんな志が高くて英語もできる素敵な日本人女性でした。

日本語の教え方だけでなく、イギリスの生活や文化についてもいろいろと教えてくださり、おかげで非常に充実したイギリス生活を送ることができました。

私と同じクラスを担当していた女性はすごく声が通るので、軽い気持ちで「発声がすごく良くて声が通りますよね」と話しかけてみたら、「前に歌のレッスンを受けたことがあるのよ。ロンドン在住の日本人女性なんだけど、よかったら先生を紹介しましょうか」 と言ってくれたのです。

私はもともと歌が好きでボイストレーニングに興味があったので、喜んで先生を紹介してもらいました。

その先生は英語、フランス語、ドイツ語、イタリア語もできるマルチリンガルな女性で、歌だけでなく英語の発音や勉強法もマンツーマンで教えてくださり、毎回とても有意義なレッスンを受けることができました。

それだけでも十分満足だったのに、先生が「今度の発表会に出てみませんか」と声をかけてくださり、素敵な教会でピアノに合わせて歌をうたう機会まで得ることができました。

軽い気持ちで好奇心から日本語教師のボランティアに参加しただけで、一気に素晴らしい仲間がたくさんできて良い刺激をもらい、プロの日本人歌手のレッスンを受けることもできて、歌の発表会にも出してもらえたという。

こんなことってあるんだなと、今でも不思議に思います。

超慎重派でなかなか行動に移せない私にもアクティブな時期があった⁉

いろいろあったロンドン生活ですが、実はたったの1年でした。

夫の仕事の都合で最初から1年間限定と決まっていたので、せっかくの貴重なロンドン生活を無駄にしないようにと、やりたいことに優先順位をつけて過ごすようにしていたら、あっという間に時間が過ぎていきました。

結果的には、日本語教師や日本文化を伝えるボランティア活動に参加しつつ、英会話も習い、日本人だけでなく様々な国の人と交流し、充実したイギリス生活を送ることができました。

私は基本的に超慎重派で、頭で考えただけでリスクを避けようと行動に移せないタイプなのですが、ロンドン生活では1年しかないという「締切り効果」のおかげで自分でも信じられないくらいアクティブになれたのです。

期間限定と言われると、ついつい買っちゃいませんか?「締切り効果」は絶大です。

転がり込んできたチャンスには軽いノリで飛び乗る一方で、やりたいことは期間を限定して真剣に優先順位をつけて行動するようにすると、気づけば体が勝手に動いています。

これからどうするか

プロサッカー選手の長谷部誠さんによると、ドイツには「整理整頓は人生の半分である」ということわざがあるそうです。

整理整頓は自分にとって本当に必要なことは何かを決断することです。

今後も整理整頓で決断力を高めて自分が何を求めているのかを見極め、「締切り効果」を活用して興味のあることには気軽にチャレンジしつつ、チャンスが来たらいつでも飛び乗れるように準備していきたいと思います。

参考文献
『嫌われる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2013年 ダイヤモンド社さん)
『3日で運がよくなる「そうじ力」』舛田光洋(ますだみつひろ)さん(2006年 三笠書房さん)
『PHP 挑戦しよう 人生、遅すぎることはない』(2013年 PHP研究所さん)
『ゼロ』堀江貴文さん(2013年 ダイヤモンド社さん)
『心を整える。勝利をたぐり寄せるための56の習慣』長谷部誠さん(2011年 幻冬舎さん)