美と健康を手に入れて幸せになるために―すべてがうまくいく朝の過ごし方

穏やかなイメージ

時間に追われる日々から抜け出すためのカギは「自律神経」

かつての私は、いつも時間に追われて体だけでなく心も疲れていました。

特に朝寝坊したり忘れ物をして家に戻ったりして遅刻しそうになった日は、朝からずっとバタバタして、道でよく(つまづ)いたり仕事でミスを連発したり…

そんな日は「今日はツイてないな。まぁ、そんな日もあるよね」と自己嫌悪に(おちい)っている自分を(なぐさ)めていました。

でも実は、医師の小林弘幸さんによると、いろんなことが空回(からまわ)りしてうまくいかないのは、ツイてないからではなくて、朝バタバタして自律神経のバランスを乱してしまったことが最大の原因なんだそうです。

ちなみに自律神経は内臓や血管など生きるために欠かせないライフラインをコントロールしているもので、交感神経と副交感神経からなっています。

車で言えば、交感神経がアクセルなら副交感神経がブレーキ。これらのバランスを整えることが、心と体をベストな状態に保つためのカギなのです。

キーワードは「ゆっくり」

でも、どうしたら自律神経を整えることができるんだろう?

先ほどご紹介した医師の小林弘幸さんの著書『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』には次のように書かれています。

朝、すべての仕度をするときに、とにかく「ゆっくり」を心がける。そうすれば、その日一日、心も体も仕事も人間関係も、本当に何もかもがよい方向に変わります。なぜなら、とにかくゆっくりを意識して動くだけで、自然に呼吸が安定し、自律神経のバランスが整い、腸の働きも血流もよくなり、一日の始まりがいい方向に動き出してくれるからです。

しかも、そのいい状態は、ずーっとつづきます。自律神経には、「継続性」という特徴があるので、朝、ゆっくり動くことで整えた「いい自律神経のバランス」は、その日一日、ずっとつづいてくれるからです。

逆に、朝、ギリギリまで寝て、朝食もとらずにバタバタと焦って家を出る。そうすると、残念ながらその日一日は、すべてが悪い流れに向かってしまいます。

え? 朝ゆっくり行動するよう心がけるだけでいいの?

何だかウソみたいな話ですが、「ゆっくり」を意識して行動するようにすると、自律神経が整い、その状態がその日一日中続いて体調がよくなるだけでなく、判断力や直感力も上がって(すべ)てがうまくいくそうです。

美と健康のための習慣にしたい朝のルーティーン

そうは言っても、朝はいろいろとやることがあって忙しいので、のんびり動いているわけにはいきません。

そこで、朝起きてから朝食後までのルーティーンを儀式化して習慣にしてしまい、「ゆっくり」を意識しつつもスムーズに流れるように行動するようにしたら、一日中穏やかに過ごせるようになりました。

ちなみに、私が美と健康のために習慣にしている朝のルーティーンはこんな感じです。


・平日も休日も毎朝なるべく同じ時間に起きる(体内時計をリセットするため)

 

・朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる
(その日の夜ぐっすり眠れるよう、15時間後にメラトニンという睡眠促進ホルモンがたくさん出るスイッチを押すため)

・朝起きてトイレに行った後コップ一杯の水をゆっくり飲む
(眠っている間に失われた水分を補って血液をサラサラにし、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞などを予防するため)

・体重計にのって体重や体脂肪率、骨格筋率などをチェックし、現実逃避しない
(体重が増えてしまったときに食事や運動ですぐ調整できるようにするため。自分では食べすぎたつもりはなくても、体重計は真実を語っています)

・頭をマッサージするように髪をとかしたら、鏡の中の自分に微笑みかける
(鏡に向かって笑うなんて自意識過剰だと思うかもしれませんが、口角を上げてニコッと笑うと自律神経が整うだけでなく、免疫力が上がり、脳のミラーニューロンの働きで調子の悪いときでも気持ちが明るくなります)

・歯を磨いたら舌苔(ぜったい)をとる
(舌苔は朝起きたときに増えやすいため、朝に舌磨きをします。ベロがキレイになるだけでなく口臭予防にもなります)

・朝の洗顔は水かぬるま湯ですすぐだけ
(医師の落合博子さんによると、メイクなどを落とすわけでもないのに、肌をせっけんなどで洗いすぎると、肌を守ってくれている皮脂や常在菌が減って皮膚構造が傷つきやすくなり、乾燥や湿疹、細菌感染、アレルギー等の原因になるそうです)

・洗顔後は化粧水をつけずに、オイルとセラミド美容液で肌を整える
(化粧水で水分を過剰に補うと肌の保水力が落ち、キメが荒れて艶(つや)がなくなります。そして毛穴が広がったり、小じわやニキビができやすくなったりしてしまいます。医師の落合博子さんによると、化粧水よりも油分が入ったクリームや美容液、オイルなど皮脂に近い成分を補って保護膜を作ってあげる方が肌に良いそうです。ちなみに、化粧水をつけていた頃はよく浸透させるために時間をかけていましたが、化粧水をやめたら時間も化粧品代も節約できて良いこと尽くめです)

・鎖骨、首、耳まわり、頭皮のリンパマッサージをする(老廃物を出してほうれい線対策)

・「あいうべ体操」をする → 詳しいやり方はこちらをご覧ください
(医師の今井一彰さんが考案された口の体操。大きく口を動かして「あ・い・う」と言い、最後に「べ」と言いながら舌を伸ばします。口呼吸を鼻呼吸に治し、唾液を増やして口内環境を良くするだけでなく、顔筋のトレーニングになるので、あごのたるみを解消したり、ほうれい線を薄くしたりする効果があるようです)

・BBクリームタイプの日焼止めを両方の手のひら全体にまんべんなく付けてから、両手で顔を覆い優しく押さえるようにして塗る
(肌は擦るとくすんだり、シワやたるみの原因になったりするため、なるべく触らないようにした方がいいので、額や鼻、頬などにチョンチョンと置いてから伸ばすのをやめました。手全体で顔を覆うようにすると、ムラなくキレイに塗れますし、時短にもなります。ちなみに、唇が外に出ないように口を一文字に閉じて塗ると唇に日焼け止めが付きにくくなります)

・朝食代わりに自家製野菜ジュースと白湯(さゆ)を飲む
(朝食をとって体内時計を整え、酵素や食物繊維で腸内環境を整えてから白湯のデトックス効果でお通じを促し、活性酸素を除去してくれる食材で抗酸化力を高めたり、オメガ3脂肪酸のアンチエイジング効果を活用したりして、肌をきれいにするため。ちなみに、自家製野菜ジュースについては「朝食代わりに♪便秘を改善して美肌・アンチエイジング効果も期待できる特製フレッシュジュースの作り方」という記事で、酵素の働きや白湯の効果については「胃腸も8時間労働の方が幸せ⁉ 白湯と間欠的断食で快調&アンチエイジング」という記事で詳しく紹介しています)

・食後なるべく早めに「毒出しうがい」をする → 詳しいやり方はこちらをご覧ください
(歯学博士の照山裕子さんが考案されたうがい法。口の中に入れた水の水圧で食べかすやばい菌を洗い流して口の中を清潔にします。口の中の水を強く速く歯にぶつけるので、口のまわりの筋肉が鍛えられ、唾液の量が増えて口内環境が良くなるだけでなく、ほうれい線対策にもなります。歯磨きの代わりになるので、歯の磨き過ぎで歯肉を傷めてしまうのを防ぐ効果もあります)

・PCを開いて日記を更新する。昨日やったことを確認し、今日の予定を考えて入力して頭に入れておく
(私は家事や勉強など自分がやっていることを「やって当たり前」と自分を認めてあげられないため、あえて日記に自分のやった小さなことを記録して「昨日もいろいろ頑張ったな」と自分に言い聞かせるようにすると前向きになれます。そして、時間に追われてバタバタしないように、朝のうちに今日の予定を確認しておきます)

これからどうするか

今後もたくさん本を読んだりネットなどで調べたりして美容・健康に良さそうな情報を見つけたら、しっかり取捨選択した上で生活に取り入れて試してみたいと思います。

そして、その方法が自分に合っていて効果がありそうだと思ったら、「本当にやりたいことや新しいことに全力投球するために、やるべきことをスムーズに片付ける方法」という記事にも書いたように、美容・健康のためにやるべきこととして習慣にしてしまい、取捨選択しながら今の自分に合ったルーティーンをアップデートしていきたいと思います。

参考文献


『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』小林弘幸さん(2016年 幻冬舎さん)
『すぐやる!「行動力」を高める“科学的な”方法』菅原洋平さん(2016年 文響社さん)
『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』根来秀行さん(2013年 幻冬舎さん)
『その歯みがきは万病のもと デンタルIQが健康寿命を決める』相馬理人さん(2017年 SBクリエイティブさん)
『美容常識の9割はウソ』落合博子さん(2019年 PHP研究所さん)
『日本初「薬やめる科」の医師が教える 薬の9割はやめられる』松田史彦さん(2018年 SBクリエイティブさん)
『ほうれい線は消せる!』日経ヘルスさん(2014年 日経BPさん)
『PHP 元気な自分は自分で作る”健康”と”キレイ”を手に入れるヒント』(2006年 PHP研究所さん)
『PHPからだスマイル じつはカラダに悪い食べもの』(2017年 PHP研究所さん)
『PHP ココロとカラダ「自分磨き」大作戦!つきあい力・外見力・家事力をアップ』(2008年 PHP研究所さん)
『1日5分「よい習慣」を無理なく身につける できたことノート』永谷研一さん(2016年 クロスメディア・パブリッシングさん)
『トップモデルが明かす 体が生まれ変わる「キレイ生活」1日24時間で自分を磨く本』宇佐美恵子さん(2003年 三笠書房さん)
『50歳を超えても30代に見える生き方』南雲吉則さん(2011年 講談社さん)