アウトドア派もインドア派も!休日バンライフで人生を変える

渚ドライブウェイ

欧米を中心に、心の豊かさを求めて車に必要なモノだけを載せ、自由に旅したり生活したりする「バンライフ」が広がってきました。

日本でも、車中泊仕様にカスタムしたバンなどの車やキャンピングカーで旅しながら暮らす人が現れ始めています。

自分もバンライフを始めれば何かが変わるんじゃないかと思いつつも、お金や仕事のことを考えて二の足を踏んでいる人もいるのではないでしょうか。

でも休日だけバンライフをするだけでも人生は変わります。

この記事では、そんな「休日バンライフ」の魅力について書いてみたいと思います。

バンライフは人生を変える最強の方法

経営コンサルタントの大前研一さんによると、人間が変わる方法は三つしかないそうです。

人間が変わる3つの方法
① 時間配分を変える ② 住む場所を変える ③ 付き合う人を変える

①の「時間配分を変える」というのは、人生という限られた時間の使い方を変えることですが、この3つの中では自分の意思と行動次第で一番変えやすいものといえます。

②と③の住む場所や付き合う人を変えると自分が変わることは、多くの人が何となく薄々気づいているとは思いますが、簡単には引っ越せませんし、今まで築いてきた交友関係を変えることは容易ではないからです。

でも車で自由に旅したり生活したりする「バンライフ」なら、この3つの方法をいっぺんに実行することができます。

① 自由に自分の時間を使えるので、その時々の自分のライフスタイルに合わせて時間配分を変えられますし、

② 移動しながら生活するので、住む場所も変えられます。

③ 行く先々で新たな出会いがあるので、交友関係を広げて付き合う人を変えることもできます。

つまり、バンライフは自分を変えて人生を変える最強の方法なのです。

 
筆歌
確かに、住む場所を変えると人生って大きく変わりますよね。私は夫の仕事の都合でイギリスのロンドンに住んだことがあるのですが、たった一年間の海外生活だったのに、人生観も交友関係も大きく変わりました。
 
より大きな共同体の声を聴け」という原則
家族や学校、職場などの人間関係に悩み、自分の居場所がなくて苦しいときは、もっと外の世界に目を向けて「より大きな共同体の声」に耳を傾けてみます。

例えば、職場内の人間関係に悩んでいるなら、思い切って会社を辞めて「バンライフ」をしながら日本一周してみたりする等、行動範囲を広げて新たな居場所を探してみるのです。 

自分の会社という目の前の小さな共同体に固執せずに、会社の外にあるもっと「大きな共同体」(他の会社や組織、市町村、国、世界など)に目を向けてみると、いかに自分の視野が狭くなっていたか気づかされます。

人は悩んでいると視野が狭くなってしまい、家に引きこもってしまったり、いま自分が置かれている環境の中で何とかしなければと思ってしまったりしがちです。

でも、その環境の中では自分らしく自由に生きられなくて苦しいのなら、そんな環境にしがみつく必要はありません

バンライフを通じて広い世界へ飛び出していけば、「あたなの進むべき方向はこっちですよ」という声が聞こえてきて、目の前が開けてくるかもしれません。

 

 

バンライフの問題点

とはいえ、バンライフはそう簡単に始められるものではないですし、基本的に定住しないので、生活上いろいろと問題もあります。

生きていくためにはお金が必要なので、うまいことFIRE(ファイヤー)(Financial Independence, Retire Early:経済的自由を得て早期リタイアすること)できた人や、ネットさえつながればどこでも仕事ができる人、移動販売をしている人など、収入源のある人なら可能かもしれません。

でも再就職が難しい日本では、今の仕事を辞めてまでバンライフを始めるのはかなりハードルが高いです。

また、実際にバンライフを始めるとなると、車中泊用にカスタムした車を用意する必要があるのはもちろんのこと、毎日安全に寝泊りできる場所を確保しなければなりませんし、洗濯やゴミ処理、生活用水の給排水、郵便物や荷物の受け取り、住民票をどこに置くか等の問題に直面してしまいます。

これらのバンライフで直面する問題は、工夫次第で解決できないわけではありません。

でも普通に家で暮らしていたときは当たり前にできていたことに、時間や手間がかかるのを受け入れられず苦になってしまうと、自由を求めて始めたはずのバンライフが不自由なものになってしまうこともあります。

休日バンライフを始めるだけでも人生は好転する

そこで、仕事は辞めずに定住したまま車中泊仕様にカスタムした車やキャンピングカーを用意し、まずは休日の時間の使い方を変えてみるだけでも、人生は変わります

例えば週末に人気の観光スポットやお店などに車で行く場合、休日の朝に起きて家を出ると、渋滞に巻き込まれてしまったり、やっとの思いで目的地に着いても行列に並んだりしなければならなかったりして、わざわざ疲れに行くことになってしまいがちです。

現代のレジャーはリフレッシュではなく、自由も解放感もないノルマのようになってしまっているところもあるのではないかと思うのです。

でも車中泊仕様の車なら時間差行動ができるので、渋滞や混雑を避けて自由にのびのびレジャーを楽しみ、リフレッシュすることができます

前日の夜に出発して、道が空いているうちに目的地の近くの高速道路のサービスエリアや道の駅などに移動しておき、車内で「仮眠」をとれば、翌朝の混んでいない時間帯から現地で行動できるのです。

道の駅や高速道路のSA・PAなどは、あくまで24時間休憩できる場所で、宿泊施設ではありません。その施設や他の利用者の迷惑にならないよう、連泊や長期滞在せずに必要最小限の「仮眠」にとどめるようにします。

午前中の空いているうちに人気の観光地を自由気ままに散策したり、行列ができる前に人気店に並んでおいて待ち時間を短くして食事や買い物などを楽しめたりするわけです。

もちろん普通の車でも仮眠をとることはできますが、車中泊仕様にカスタムした車やキャンピングカーは、平らなところで手足を伸ばして横になって寝れるので、エコノミー症候群などになる心配がありません。

さらにはキャンピングカーの中にはリチウムイオンバッテリーを積んでいるものもあり、車のエンジンを切ってもサブバッテリーで長時間エアコンを使えるので、暑くて寝苦しいこともありません。

キャンピングカーに限らず、車中泊仕様の車にエンジンを切っても使えるFFヒーターを装備したり、リチウムイオンのモバイルバッテリーで電気毛布を使ったりすれば、寒くて眠れないこともありません。

翌朝に疲れが残らず気持ち良く目覚めて、朝から現地で元気に活動できるのです。

車中泊仕様の車で休日を有効活用すると、混雑を避けて快適にレジャーや趣味を楽しめるので、休日にリフレッシュできて仕事にも好影響を与えますし、休日を楽しみに仕事をがんばろうというモチベーションにもなります

週末などの休みの日だけ車中泊仕様の車を活用する「休日バンライフ」は、定住しないバンライフ特有の問題を回避しつつ、人生を大きく好転させることができるのです。

 
筆歌
実は、キャンピングカーを買った最大の理由は、仕事漬けでストレスがたまっていた夫を元気づけるためでした。
グルメ、観光、キャンプなどのアウトドアレジャーはもちろんのこと、趣味のサーフィンやスキー・スノーボードなどを、時間差行動で快適に楽しめるようになり、私たち夫婦の人生は劇的に好転しました。
 

休日バンライフなら時間もお金も有効活用できる

待ち時間がリラックスできる「おうち時間」に

先ほど車中泊仕様の車で時間差行動をとり、行列ができる前に人気店に並んでおくと待ち時間を短くできると書きました。

お店が整理券やアプリなどで整理番号をくれる場合は、早めに整理番号をもらっておけば、あとは順番が来るまで車の中でゆっくり待つことができます。

キャンピングカーや車中泊仕様の車には、食事などができる「ダイネット」というテーブルなどのあるダイニングスペースがあります。

ダイネットでゆっくり座ってコーヒーやお茶などを飲みながら、スマホをいじったり本を読んだり、ノマドワークやテレワーク(リモートワーク)したりできるので、まるで家の中にいるかのようにリラックスして待ち時間を快適に有効活用できるのです。

ホテル代も高速道路代も節約できる

前日の夜に目的地の近くに移動して車内で仮眠すれば、ホテルなどに泊まらなくてすむので、宿泊施設の事前予約は不要ですし、チェックインの時間などに縛られず、もちろん宿泊費はかかりません。

また、事前にETCマイレージサービスに登録(登録料・年会費無料)したうえでETCを利用すれば、深夜0時から4時の間に高速道路を出入りすると、料金が3割引になります。

車中泊仕様にカスタムした車はもちろんのこと、意外にも8ナンバーのキャンピングカーも普通車扱いなので、週末や祝日に高速道路で地方を移動する場合もETCの休日割引(土日祝日のみ、2022年度からGWや年末年始は適用外)が適用されて、料金が3割引になります。

 
筆歌

深夜に車で高速道路を走っていると、まわりは大型トラックだらけです。
深夜割引は対象になる車種が限定されないので、運送会社は配送コストを抑えようと深夜に大型トラックで荷物を運んでいます。多くの人がゆっくり過ごしている深夜の時間帯に、大型トラックの運転手さんたちは眠い目をこすりながら一生懸命荷物を運んでくれているのです。
だから通販などの「○○円以上ご注文の場合は送料無料」という表現に違和感を覚えます。「送料弊社負担」や「送料は当社負担」という表現がスタンダードになっていくといいなと思います。

休日バンライフと秘密の基地効果⁉

この記事の冒頭で「住む場所を変える」ことを「人間が変わる方法」の一つとしてご紹介しましたが、キャンピングカーなど車中泊仕様の車に乗っている人の中には、住む場所まで変えなくても家から車の中に移動するだけで自分の中に不思議な変化が起きると感じている人もいるようです。

極端な話、家の駐車場に停めてある車中泊仕様の車の中にいるだけで、仕事が(はかど)ったり、温かい飲み物や食べ物などがすごく美味しく感じたりして、充実した楽しい時間を過ごせるようなのです。

「普通の車ではできないことが車中泊仕様の車ならできる」という特別感が、秘密の基地みたいなワクワク感(かも)し出しているのかもしれません。

ましてや、キャンピングカーなど車中泊仕様の車でいろんな場所へ行くと窓から見える風景が変わるので、「動く別荘」状態になって特別感がさらに増し、「車中泊仕様の車の中だと何をしても楽しい!」という魔法にかかります。

特に自然の豊かな公園やキャンプ場などに車を停めて過ごすと、そんなに手間ひまやお金をかけなくても何を食べても美味しいですし、窓の外のきれいな景色をボーっと眺めるだけでリフレッシュできます。

自然の中で本を読みながら考え事などをしていると、どこからかパッと良いアイデアが浮かんだりすることもあるようです。

今は情報過多の時代なので、日常生活の中で敢えて情報を遮断して空白になる時間を作ることは、本当の自分を取り戻すためにも、精神を安定させるためにも重要です。

普段は生活に便利な都会に住みつつ、休日は車中泊仕様の車で電波のあまり届かない自然の豊かなところに行ってデジタルデトックスしたり、スポーツや釣り等の趣味を楽しんだりして心も体もリフレッシュすると、バランスがとれて仕事もプライベートも充実し、人生が好転するのではないかと思います。

参考文献
『時間とムダの科学』大前研一さん(2005年 プレジデント社さん)
『40代を後悔しない50のリスト 時間編 1万人の失敗談からわかった人生の法則』大塚 寿さん(2016年 ダイヤモンド社さん)
『人生を10倍豊かにする至福のキャンピングカー入門』岩田一成さん(2016年 グラフィスさん)
『「とりあえず5年」の生き方』諸富祥彦さん(2010年 実務教育出版さん)
『2020年人工知能時代 僕たちの幸せな働き方』藤野貴教さん(2017年 かんき出版さん)
『由緒正しい日本の教養 俳句・茶の湯・禅・歌舞伎・能』斎藤 孝さん(2009年 メディアファクトリーさん)