朝食については、体内時計をリセットしたり、ランチでドカ食いしたりするのを防ぐためにも、食べた方がいいという考え方と、午前中はデトックスタイムなので食べない方が腸に優しくアンチエイジングにも効果的という考え方があります。
その狭間で悩んだ挙句に出した答えが、朝食にフレッシュジュースを作って飲むことでした。
この記事では、朝食に自家製フレッシュジュースを飲むことにした理由や、ジュースの作り方とその効果などについて書いてみたいと思います。
朝食を自家製フレッシュジュースにすると良いこと尽くめ
午前中は代謝酵素が働く「排泄」(デトックス)の時間。
酵素や酵素の働きを助けるビタミン・ミネラルの豊富な生野菜ジュースは、朝食代わりに飲んでも、まだ目覚めていない腸に優しく、美容・健康のカギを握る貴重な体内酵素を無駄遣いせずにお通じをスムーズにしてくれます。
またビタミンA・C・E(ビタミンエース)は、増えすぎると細胞を傷つけてしまう活性酸素を除去する抗酸化作用が強く、シミ、シワ、たるみ、かさつきなど肌の老化を防いでくれる効果があるだけでなく、がん予防にもなると言われています。
そこで、私はこのビタミンエースが多く含まれる素材を活用してフレッシュジュースを作り、毎朝飲むようにしています。
フレッシュジュースは材料を入れてミキサーにかけるだけなので手間があまりかからず、いろいろと支度しながら立ったまま飲めるので、忙しい朝にはありがたいですし、体内時計をリセットして身体の調子を整えてくれるので、良いこと尽くめです。
腸に優しい特製フレッシュジュースの材料と作り方
材料(二人分)
※ 多く入れ過ぎるとジュースがドロドロになって飲みづらくなるので注意
・にんじん 中1本(約150g)
※ 皮も使いたいので、なるべく残留農薬の少ない有機野菜や自然栽培のものを
・抹茶 小さじ2
※ 節約しようと粉末タイプの緑茶を使ってみたこともありますが、あまり色づきませんし、風味も栄養も抹茶に劣ります
・低温圧搾の亜麻仁油(えごま油でも) 小さじ2
※ 酸化しやすいので開封後は1カ月以内に使いきるようにします。ちなみに、えごま油の方が亜麻仁油よりもサラッとしていて無色でクセがありません
はちみつ 小さじ2
※ 計量スプーンを使うと、はちみつがくっついてしまうので、私は小さじ2のつもりで2プッシュ入れています。たぶん多めに入れてしまっていると思いますが(汗)
砂糖不使用のアーモンドミルク(または無調整豆乳) 250ml
作り方
2. にんじんは皮はむかず、しっかり水で洗ってから薄切りにしてミキサーに入れます。
3. アーモンドミルク(または無調整豆乳)の半分くらいをミキサーに入れます。
4. 抹茶、亜麻仁油(またはえごま油)、はちみつを入れたら、残りのアーモンドミルク(または無調整豆乳)も入れます。
※ 抹茶をしっかり溶かしたい場合は、少量のお湯で溶いてから入れます。面倒なので私はそのまま入れてしまいますが(汗)
5. ミキサーにかけて全ての材料を混ぜます。
※ 酵素は熱に弱いので、低速回転と高速回転を選べるミキサーなら低速回転で混ぜるようにします
特製フレッシュジュースに期待できる効果
・バナナ
ビタミンやミネラル、食物繊維がバランスよく含まれているので、美肌効果、貧血や便秘の予防効果も期待できます。
・にんじん
強力な抗酸化作用を持つβ-カロテンが豊富で、美肌に効果的なだけでなく、目にも良く、必要な分だけ体内でビタミンAに変わるので摂り過ぎる心配がありません。ビタミンCやカリウム、鉄分も摂れます。
常温保存できるので常備しておくと災害時にも使えて便利です。
知らず知らずのうちにローリングストック法(災害に備えて備蓄している食品を消費しながら買い足していく方法)を実践できちゃいます。
ちなみに、残留農薬が心配なので以前は皮をむいていましたが、今はなるべくオーガニックなどのにんじんを使うようにして、皮をむかずに丸ごとジュースに入れています。
というのも、にんじんに限らず皮には注目すべき優れた効果がたくさんあるからです。
医師の南雲吉則さんの著書『50歳を超えても30代に見える生き方』には、次のように書かれています。
人間の皮膚と同様、野菜や果物の皮は、外界からの異物を遮断するバリアであるため、次のような優れた効果が期待できます。
防菌・防虫効果……表面に細菌やカビがついても中まで腐ることはありません。皮に含まれるポリフェノールには細菌や虫をはねのける効果があります。
創傷治癒効果……表面を鳥につつかれても、何日かすると再び皮が張っているように、皮の部分には傷を修復する創傷治癒効果があります。
抗酸化作用……リンゴの皮を剥くと空気に触れて酸化し、数分で茶色く変色します。つまり、皮には酸化を防ぐ抗酸化作用があるのです。
また、症状別でみた場合、次のような改善効果も得られやすいでしょう。
ニキビ・吹き出物……皮膚の皮脂腺に細菌が繁殖することで生じるため、皮ごと食べれば除菌効果で治ります。
風邪・インフルエンザ……皮に含まれる除菌効果でウイルス感染が予防できます。
肌荒れ……皮の創傷治癒効果できれいに治ります。
胃腸トラブル・喉の荒れ……同じく皮の創傷治癒効果により、消化管や喉の炎症を防ぐことができます。
シミ・シワ……紫外線による皮膚の酸化も皮の抗酸化作用で治ります。
野菜や果物の皮は美肌に効果があるだけでなく、ウイルス感染を予防できたり、胃腸や喉の調子も良くしてくれたりするのです。
皮をむかずに丸ごと食べれば身体に良いだけでなく、ゴミも減って良いこと尽くめですね。
・抹茶
高い抗酸化作用を持ちコラーゲンを増やしてくれるビタミンCはもちろんのこと、強力な抗酸化作用を持つビタミンEやビタミンAも豊富。
骨の強化や高血圧の防止、便秘の解消などに効果があるマグネシウムも多く、高い抗酸化作用を持ち血糖値の上昇を抑えるカテキンは緑茶の約2倍。
ポリフェノールの一種であるカテキンには、老化の原因となるAGE(終末糖化産物)を防ぐ効果や、殺菌作用、悪玉コレステロールを減らす作用なども確認されています。
他にも、カルシウム、カリウム、鉄、亜鉛、食物繊維、目に良いとされるルテイン、骨を強化するビタミンK、リラックス効果がありストレス耐性を高めるテアニンも豊富と、抹茶は最強食材です。
・亜麻仁油(または、えごま油)
体内では作れない必須脂肪酸のオメガ3系脂肪酸であるα-リノレン酸が豊富。
にんじんや抹茶などと一緒に摂ると、脂溶性のビタミンA・Eの吸収率がアップします。
人間の身体は午前中に酸化が最も進むので、朝は抗酸化作用のあるオメガ3系脂肪酸を摂る絶好のタイミングです。
現代人はサラダ油などでオメガ6系脂肪酸を摂り過ぎる傾向があるので、亜麻仁油やエゴマ油を生で摂ってオメガ3系脂肪酸を増やすようにすると、バランスがとれて腸内環境が良くなるようです。
・はちみつ
胃酸や消化酵素で分解されずに腸まで届きやすいオリゴ糖が豊富で、腸内の善玉菌を増やし、お通じを良くしてくれます。
ちなみに、1歳未満の赤ちゃんに与えると乳児ボツリヌス症になり、かえって便秘などになってしまうリスクがあるのでご注意ください。
・砂糖不使用のアーモンドミルク(または無調整豆乳)
アーモンドミルクは高い抗酸化作用を持つビタミンEが豊富で、美肌・アンチエイジング効果を期待できます。
豆乳と同様に常温保存できて牛乳代わりに使えて便利なのに、低カロリー(牛乳の3分の1程度)で、牛乳の半分くらいではありますがカルシウムも含まれています。
食物繊維も豊富なので便秘改善にも役立ちます。
ただし、タンパク質をしっかり摂りたいなら、良質のタンパク質が豊富な豆乳の方が良く、無調整豆乳なら食品添加物が入っていないので腸に負担をかけません。
野菜ジュースに関して疑問に思ったこと
ミキサーでジュースを作る場合は、野菜や果物などの材料に水や牛乳などの水分を加えて混ぜます。
一方ジューサーの場合は、材料をすりおろして絞り出したエキスがジュースになるので、水分を加える必要がないのです。
ジューサーで作ったジュースはサラッとしていて飲みやすく美味しいのですが、大量の搾りかすを捨てるのが心苦しくて、私はゴミが出ないミキサーの方を愛用しています。
市販の野菜ジュースにもある程度は栄養素が含まれているようです。
でも朝のデトックスタイムに酵素を摂って排泄をスムーズにするのが重要なのに、残念ながら市販のジュースは加熱殺菌処理されているため、生きた酵素がほとんど失われてしまっているようです。
市販のジュースには食品添加物が入っていることが多いのも気になります。
食品添加物は酵素を増やすどころか、消化酵素を大量に消費してしまうからです。
生ジュースは時間が経つにつれて味が落ちるだけでなく、栄養素が減り、酵素も酸化して壊れていってしまうそうです。
作ったらすぐに飲むようにし、作り置きは避けた方が良さそうです。
豆乳は女性の美容・健康に良いと言われるイソフラボンや良質のタンパク質が豊富なのに低カロリー。
牛乳代わりに使えて、常温保存もできるので災害対策にも便利ということで、私は特製フレッシュジュースを作るのに無調整豆乳をずっと愛用していました。
でも実は豆乳は体に良くないという研究結果もあるそうです。
アンチエイジングが専門のオーガスト・ハーゲスハイマーさんの著書『老けない人はやめている』には、次のように書かれています。
大豆には栄養素の吸収を妨げる成分“アンチニュートリエント(反栄養素)”が含まれています。これを取り除くには発酵させなくてはいけません。発酵した味噌、納豆やテンペにはアンチニュートリエントは残らないのですが、水分を多く含む豆乳や豆腐には残ってしまうため、栄養の吸収が阻害されてしまう可能性があるのです。(豆腐に残る量は少しなので、食べすぎなければOK)
つまり豆乳を飲むと、食事で摂った栄養素をきちんと体に取り込むことができなくなる恐れがあるのです!
せっかく体に良い素材を使ってジュースを作っても、豆乳ベースだと栄養素を体に取り込むことができなくなる可能性があるなんて(涙)
そんなわけで、最近は無調整豆乳よりもさらに低カロリーで、抗酸化作用が高く美容に良いビタミンEが豊富な上に、牛乳代わりにもなり、常温保存もできて便利なアーモンドミルク(砂糖不使用)を使うようにしています。
ただし、スーパーなどで売られているアーモンドミルクの多くは食品添加物が入っているのが気になります。
かといって、無添加のアーモンドミルクは高すぎて毎日使うには家計的に厳しいです。
また、アーモンドミルクにもたんぱく質は少し入っているものの、豆乳とは違いアミノ酸スコア100ではありません。
私は割安なアーモンドミルク(砂糖不使用)を使って食品添加物には目をつぶっていますが(汗)、経済的に余裕があるなら無添加のアーモンドミルクを使うのが理想的です。
ちなみに、無調整豆乳でジュースを作って飲んでいたときも肌の調子は良く、これはあくまで私の実感ですが、栄養素が摂れていないという感覚はありませんでした。
タンパク質は一度に消化吸収できる量が限られているため何回かに分けて摂った方がいいそうなので、朝にもタンパク質を摂りたいなら、無調整豆乳を飲むのもありだと思います。
豆乳はアーモンドミルクよりも割安で家計にも優しいですし、無調整のものを選べば無添加で安心です。ただし摂り過ぎには注意した方が良さそうです。
これからどうするか
以前の朝食は自家製フレッシュジュースと食パンでしたが、食パンを食べるのをやめてフレッシュジュースだけにしたら、長年の冷え性がウソのように治ってしまいました。
今後も便秘対策のために基本的には自家製フレッシュジュースを飲みつつ、たまには朝に好きなものを食べたり、早めのランチ(ブランチ)を楽しんだりしながら、気軽に腸内環境を整えていきたいと思います。
一方で、「胃腸も8時間労働の方が幸せ⁉ 白湯と間欠的断食で快調&アンチエイジング」という記事にも書きましたが、ときには朝食を完全にとらない日を作り、空腹時に出てきて腸の動きを活発にしてくれる「モチリン」というホルモンの力を借りてお通じを促し、腸の中がキレイになるように努力していきたいと思います。
『確実に痩せてリバウンドしない 晩ごはんダイエット』美波紀子さん(2006年 幻冬舎さん)
『「これ」だけ意識すればきれいになる。自律神経美人をつくる126の習慣』小林弘幸さん(2016年 幻冬舎さん)
『PHPからだスマイル じつはカラダに悪い食べもの』(2017年 PHP研究所さん)
『朝だけ断食で、9割の不調が消える!』鶴見隆史さん(2015年 学研パブリッシングさん)
『LIFESPAN(ライフスパン)―老いなき世界』デビッド・A・シンクレアさん、 マシュー・D・ラプラントさん、梶山あゆみさん訳(2020年 東洋経済新報社さん)
『酵素たっぷりで「やせ体質」になる!「朝ジュース」ダイエット』藤井香江さん(2011年 講談社さん)
『老けない人はやめている』オーガスト・ハーゲスハイマーさん(2013年 講談社さん)
『からだスッキリ!おいしい手作り フレッシュジュース』上村泰子さん(2002年 新星出版社さん)
『PHP 老けない人の最強!食事術』(2020年 PHP研究所さん)
『老けない、太らない、病気にならない 24時間の過ごし方』根来秀行さん(2013年 幻冬舎さん)
『老いない体をつくる中国医学入門 決め手は五臓の「腎」の力』阪口珠未さん(2018年 幻冬舎さん)
『老けたくないなら「AGE」を減らしなさい カラダが糖化しない賢い生活術』牧田善二さん(2012年 SBクリエイティブさん)
『50歳を超えても30代に見える生き方』南雲吉則さん(2011年 講談社さん)
『PHP コロナ時代の新健康習慣』(2021年 PHP研究所さん)
『被災ママに学ぶちいさな防災のアイディア40 東日本大震災を被災したママ・イラストレーターが3・11から続けている「1日1防災」』アベナオミさん(2017年 学研さん)