痩せたいと思ってダイエットを始めたのに、かえって太ってしまうことってありませんか。いわゆるリバウンドです。
確実に痩せるためにはどうしたらいいのか、テレビショッピングで大成功したジャパネットたかた創業者の高田明さんの生き方からヒントを得ながら考えてみたいと思います。
過去に失敗した経験を振り返る
自分が太った原因と向き合うことで、便秘を克服して太りやすい体質を改善し、ストレス食いに気を付けて太らないようにすればいいことはわかりましたが…
依然として体重は増えたままです(汗)
次の課題は増えてしまった体重を減らすことでした。
どうしたら確実に痩せられるんだろう。
私はまた自分と向き合い、自分が今までやってみて失敗したダイエットについて考えてみました。
・食事置き換えダイエット(1日1~2食をダイエットフードに置き換え摂取カロリーを抑える)
・断食ダイエット
これらのダイエットの共通点は、食事内容を変えて摂取カロリーを減らすだけというシンプルな方法で、短期間で痩せられることでした。
早く結果を出したかった私は、迷わず飛びつきました。
取り込むエネルギー(摂取カロリー)よりも使うエネルギー(消費カロリー)の方が大きければ、脂肪が燃えて痩せる。
ざっくり言えば、戦略としては、食べる量を減らすか、運動量を増やすか。
そして、運動で消費するエネルギーはごくわずか(例えば、ご飯1膳約150gの摂取カロリーが約250kcalなのに対し、30~40代の体重50キロの女性が1時間ウォーキングをしても消費カロリーは約180kcal)なので、運動量を増やすのではなく、食べる量を減らす方が近道だと考えたのです。
食事制限ダイエットで太った⁉
実際、食事制限ダイエットをしてみたら、ごく短期間で面白いように痩せていきました。
初めて食事置き換えダイエットをしたときは、1か月で3キロ体重を落とすことができました。
これなら、あと1か月も続ければ目標体重になる! と思っていたら…
だんだん体重が減るペースが落ちていきました。
前よりお腹が空かなくなり、少ない食事でも耐えられるようになっていったのです。
そして、とうとう体重が減らなくなってしまいました。
も、もしかして、これが魔の停滞期? こんなに頑張ってるのになんで?
イライラがつのり、とうとう爆発してしまいました。
今まで食事制限をして我慢していた反動で食欲が抑えられなくなり、ドカ食いしてしまったのです。
1~2か月かけて落とした体重は、あっという間に元に戻ってしまいました。
しかも、恐ろしいことに、ドカ食いがおさまっても普通に食事するだけで太るようになってしまいました。いわゆるリバウンドです。
や、ヤバい! またダイエットしないと!
焦った私は食事の量をどんどん減らしていきました。甘いものもやめました。
食事をすることに強い罪悪感を覚えるようになってしまったのです。
もちろん、そんな食事制限を続けられるはずがありません。
ちょっとだけならいいよねとチョコ菓子に手を出したら…食欲を抑えられなくなり、またドカ食い。
ダイエット前よりもさらに太ってしまいました。
食事制限ダイエットはそもそも続けられないーキーネーシス的な人生とダイエット
さまざまなストレスにさらされている現代人にとって、食事は貴重な楽しみです。
しかも、こんなグルメ大国ニッポンに住んでいながら、昼も夜も味気ないダイエット食品を食べ続けて空腹に耐えるなんて、そもそも続けられるわけがなかったのです。
そうか! ダイエットにおいて大事なことは、それを自分が続けられるかどうかなんだ。
短期間で痩せようという発想はやめて、長い目で見てこれなら続けられそうと思えるプランをしっかり考えよう。
続けられなければ、いったん痩せてもまた太るし。
自己受容ダイエット―甘いものが好きな自分を受け入れてストレス対策という記事にも書きましたが、アドラー心理学では、できるだけ早く効率的に目的地に着こうとする人生を「キーネーシス的な人生」と呼びます。
私に限らず、多くのダイエッターはできるだけ短期間で効率的に痩せたいと考えがちです。
そして、痩せるまではいつもより食事の量を減らしたり、好きなものを食べないようにしたり、ダイエットフードを食べて我慢したりします(キーネーシス的な人生)。
もちろんそれが続けられる範囲内であればいいのですが、早く痩せたいと思えば思うほど、停滞期に入って痩せなくなればなるほど、そしてリバウンドで太れば太るほど、ますます食事制限が極端になっていってしまいがちです。
最悪の場合には、拒食と過食を繰り返して身体を壊してしまいかねません。
遠い未来の自分ばかり見ていると、目の前の今の自分が見えなくなってしまうのです。
一方で、高い目標を立てて遠い未来を見るのではなく、その日できることを一生懸命やって「今を生きて」いれば、いつのまにか遠くまで辿(たど)り着いているのです(エネルゲイア的な人生)。
父が経営していた写真店の佐世保支店を任されていた私が、暖簾分けの形で独立したのは1986年のことでした。私は37歳でした。起業するには少し遅いスタートだったかもしれませんけど、私はそんなことは少しも気にしていませんでした。後で詳しくお話ししますが、私は大きな会社を作ろうとか、日本一の販売会社を作ろうとか、そんな夢を抱いたり、目標を持ったりしたことは、一度もないんですよ。毎日毎日、その日しなければならないこと、その日できることを、一生懸命、自分の力の300%を注ぎ込んで走り続けて来た。その日、そのときをただ「今を生きてきた」。それだけだったんです。
高田明さんは目標など持たずに、その日その日を真剣に丁寧に生きてきたら、3億円に満たなかった売上が25年で1,500億円以上になっていたそうです。
最初から売上1,500億円という目標を掲げていたら、さすがの高田明さんも途方に暮れていたかもしれません。
まずは1kg、いや500gだって300gだっていいんです。
目の前の小さなハードルを一生懸命飛び越え続けていれば、いつのまに5kg、10kg痩せているのです。
食事制限ダイエットで減るのは脂肪だけじゃない
無理な食事制限ダイエットのもう一つの問題は、運動せずに食事だけで体重を落とそうとすると、脂肪だけでなく、大事な骨や筋肉も減ってしまうことでした。
私は最初の1か月で3キロも体重が減り大満足でした。
が、減ったのは脂肪だけではありません。
一緒に筋肉も減ってしまい、基礎代謝が落ちてエネルギーをあまり消費しない省エネ体質になってしまったのです。
さらには、減った体重が元に戻って太ったときは脂肪だけが増えるので、かくれ肥満になっていました。
体重ばかりに気をとられていた私は、自分の体が大変なことになっていることに気づかなかったのです。
これからどうするか
近道だと思って食事制限ダイエットを始めたのに、実は近道どころか、ゴールから遠ざかっていたなんて。
もう食事制限だけで早く痩せようという発想はやめて、無理なく続けられるダイエットプランを考えてみることにしました。
次回の記事では、私なりに考えたダイエット法について書いてみたいと思います。
『一生太らない体のつくり方』石井直方さん(2008年 エクスナレッジさん)
『嫌われる勇気』岸見一郎さん、古賀史健さん(2013年 ダイヤモンド社さん)
『伝えることから始めよう』高田明さん(2017年 東洋経済新報社さん)